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リンゴ園でマルガタゴミムシ成虫は環境保全の指標生物になる

[要約]

リンゴ園でマルガタゴミムシ成虫の捕獲数は防除圧と関連し、環境保全型防除の取組を評価する指標生物になる。

[キーワード]

マルガタゴミムシ、リンゴ、指標生物、防除圧、環境保全

[担当]

秋田農技セ果試・リンゴ部

[代表連絡先]

電話0182-25-4224

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

リンゴ園の害虫防除では、非選択性農薬の使用低減など環境保全に配慮した農薬の使用が求められている。こうした環境保全型防除のもとでは土着天敵類を含む生物多様性が増し、これら生物種を指標として環境保全型防除の取組程度を評価することができると考えられる。しかし、カブリダニ類や寄生蜂などの主要な天敵類は微小であるため、直接観察することは難しい。そこで、リンゴ園に広く生息し、肉眼でも観察できるゴミムシ類の中から、生息数が農薬散布の影響と強く関連し、環境保全型防除の進捗程度を評価しうる種を選抜する。

[成果の内容・特徴]

  1. 2008 年と2009年の5〜7月に、防除圧(散布した農薬の殺虫スペクトル)が異なるリンゴ6ほ場において、落とし穴トラップで捕獲されるマルガタゴミムシ成虫の個体数は、防除圧が低いほ場ほど多い(図1)。
  2. 2010 年と2011 年の6〜7月に、環境保全防除(選択性殺虫剤を散布)と慣行防除(非選択性殺虫剤を散布)のリンゴほ場で捕獲されるマルガタゴミムシ成虫の個体数は、いずれの時期も環境保全防除の方が慣行防除よりも多い(図2)。
  3. 以上の結果から、リンゴ園におけるマルガタゴミムシ成虫の捕獲数は防除圧を反映しており、環境保全型防除の取組を評価する指標生物になる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 落とし穴トラップは、プラスチックコップ(直径7〜8cm)を上縁が地面と同じ高さとなるように設置する。トラップには、雨水が入らないように、屋根をつけるのが望ましい。
  2. 落とし穴トラップで捕獲されるマルガタゴミムシ成虫は8月以降に減少するので、捕獲調査は7月までに行う。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
農業に有用な生物多様性の指標及び評価手法の開発
予算区分
農水省プロジェクト研究
研究期間
2008〜2011年度
研究担当者
舟山 健
発表論文等
Funayama K (2011) Appl Entomol Zool 46: 103-110.