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新病害「モモ果実赤点病」の発生生態と防除対策

[要約]

新病害であるモモ果実赤点病の伝染源は枝に形成された分生胞子で、6月上旬〜収穫期(9月)まで飛散し、飛散量は降雨後に多くなる傾向がある。また、6月下旬〜7月中旬に有効な薬剤を散布することで果実被害を軽減できる。

[キーワード]

モモ、モモ果実赤点病、防除

[担当]

福島農総セ・果樹研究所・病害虫科

[代表連絡先]

電話024-542-4191

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

モモ果実赤点病は本県および和歌山県で発生が確認されている新病害である。本病の被害果は商品価値を著しく低下させることから、早急に防除対策が必要である。そのため、発生生態の解明と有効な薬剤の選抜を行う。

[成果の内容・特徴]

  1. 本病は、Ellisembia sp.による病害で、着色期頃に果実表面に赤色の小斑点を生じる(図1)。これまでウメシロカイガラムシの加害症状と誤認されてきたが、吸汁痕がないため識別が可能である。
  2. 分離菌の培養28 日後の菌叢生育から、本病菌の生育温度は10度C〜35度Cで、生育適温は25度C〜30度Cである。
  3. 発生園ではモモ枝表面に褐変および枯死部が認められ、この部位に分生胞子が表生しているため、枝が伝染源と考えられる(図2)。分生胞子は6月上旬〜収穫期(9月)まで飛散し、飛散量は降雨後に多くなる傾向がある(図3)。
  4. 6月下旬〜7月中旬(満開60 日後〜 90 日後頃)に、ベノミル・TPN水和剤1,000倍、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤1,000倍、ピラクロストロビン・ボスカリド水和剤2,000倍を散布したところ、いずれも防除効果が認められる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象はモモ生産者。
  2. 普及予定地域は、発生が拡大している福島市、伊達市および伊達郡のモモ栽培地域で1,634ha(第54次福島農林水産統計年報平成18年〜19年)。現在、有効な薬剤を福島県の平成23年版農作物病害虫防除指針(福島県農林水産部発行)のモモの防除体系および発生が確認されている地域のモモ病害虫防除暦に反映している。
  3. ベノミル・TPN水和剤、イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤は2010 年、ピラクロストロビン・ボスカリド水和剤は2011 年にモモ果実赤点病に対して登録拡大されている。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
モモ果実赤点病の発生生態と防除対策
予算区分
県単
研究期間
2007 〜 2010 年度
研究担当者
三瓶尚子、藤田剛輝、菅野英二