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作業性の良いモモ低樹高開張型樹形

[要約]

添え竹や吊り支柱の利用により骨格枝を開張することで樹高3.5m 前後の低樹高に整枝したモモの低樹高開張型樹形では、慣行の開心自然形より作業時間の削減が図られるとともにほぼ同等の収量が得られる。

[キーワード]

モモ、低樹高、開張型樹形

[担当]

福島県農業総合センター・果樹研究所

[代表連絡先]

電話024-542-4191

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

本県のモモ栽培管理では、不安定な脚立上での作業が約60 %を占め、作業者の転落の危険や、摘果や収穫などで多くの生産者が肩・首などの不調の訴えるなど「労働負担軽減」が課題となっている。

そこで、作業者の作業上の危険や労働負担を軽減し、慣行樹形(開心自然型樹形)と同等の生産性が確保できる樹形を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 低樹高開張型樹形は添え竹や吊り支柱を使用して主枝角度を30 度程度に開張し、枝吊り支線を調整し樹高3.5 m前後の低樹高に維持することが可能となる(図1表1)。また、果実品質は、慣行樹形と比較して差はみられない(データ省略)。
  2. 樹を開張することで樹冠占有面積の拡大が早く、早期多収性がある(図2)。
  3. 骨格枝を開張することによって高さ1.5 〜 3.0 mに多くの側枝を配置することが可能になり、作業性の向上から作業時間の削減が図られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象(モモ生産者等)
  2. 普及予定地域・普及予定面積(福島県のモモ産地ほか、170ha)
  3. その他
    1. 本試験で供試した品種はモモ「あかつき」である。
    2. モモ樹を低樹高に整枝すると樹幅が大きくなりやすいので、新規植栽や改植の際の植栽距離は広めとする。また、徒長枝の発生も多くなりやすいので、生育期間を通して、特に幼木時から樹形完成時までは、摘心や夏季せん定などの新梢管理を徹底する。
    3. 本樹形は、平成23 年度研究成果情報「モモの作業負担を軽減する側枝の高さと作業姿勢」において作業性が良く作業負担が軽減される樹形であることが、また、平成21年度技術・普及情報「薬剤到達性を向上させるためのモモの樹形改良と新梢管理」において薬剤到達性の高い樹形であることが明らかとなっている。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
作業性の良いモモ低樹高開張型樹形
予算区分
実用技術開発事業「農作業を快適にする省力軽労化生産技術の開発」
研究期間
2008 〜 2010 年度
研究担当者
阿部和博、志村浩雄(福島園芸課)、木幡栄子(福島農総セ)、相原骼u(福島南会津農林)、増子俊明(福島農総セ会津研)、高野靖洋(福島県中農林)、畠良七(福島農業振興課)、佐久間宣昭、額田光彦、安部充
発表論文等
阿部、佐久間、志村(2010)農作業研究、45(別2).1-5