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エゾリンドウの塊茎と芽序に着目した株分解法

[要約]

エゾリンドウの株を塊茎および芽序に着目して分解することで、従来の株単位の調 査に比べ、着生順の花茎ごとに株構造の精密な調査が可能となる。

[キーワード]

リンドウ、エゾリンドウ、塊茎、芽序、分解

[担当]

岩手県農業研究センター・環境部

[代表連絡先]

電話0197-68-4422

[区分]

東北農業・野菜花き(花き)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

リンドウは岩手県における最重要花き品目であり、品種開発とともに新しい栽培技術・施肥技術の開発が求められている。しかし、リンドウの生理生態には未解明な点が多く、技術開発の障害となっている。そこで、リンドウの生理生態研究の促進に資するため、従来の株単位の生育調査より精密な調査を可能とする新たな手法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. エゾリンドウの花茎と根は塊茎(岩手県の産地ではクラウンと呼称される)を介して結ばれ、主塊茎の周りに副塊茎および花茎が90 度回転の芽序で着生し、副塊茎についても同様の芽序で副々塊茎および花茎が着生する(図1)。
  2. このことをふまえ、下記手順でエゾリンドウの株を分解できる(図2)。
    1. 花茎と根を付けたまま、主塊茎と副塊茎を分離し、「副塊茎」と「主塊茎に残る痕」をそれぞれ同じアルファベット等で仮ラベルする(図2)。
    2. 主塊茎中央の細く短い花茎から順に主塊茎から花茎を分離し、「花茎」と「主塊茎に残る痕」をそれぞれ同じ数字でラベルしながら、主塊茎の花茎を全て分離する(図3)。なお、花茎を分離する際には、分解順が「4 の剰余系」となる芽序群が主塊茎の四辺に形成されることを念頭に、芽序群ごとに花茎を分離すると作業しやすい(図3)。
    3. 主塊茎の芽序は下部の副塊茎から上部の花茎まで連続しているので、前年までの花茎痕を観察して、仮ラベルした副塊茎の芽序を判断する(図3)。
    4. 副塊茎も同様に分解し、分解順を昇降逆にして着生順に変換する(図4)。
  3. この手法を用いることにより、主塊茎および副塊茎ごとに花茎を着生順に調査できるなど、従来の株単位の生育調査等に加え、より精密な調査・研究が可能となる。

[成果の活用面・留意点]

  1. エゾリンドウの生理生態を解明するための調査・研究手法として活用する。
  2. 図1の株構造は「農業技術大系花卉編(農文協):509-510、第1図および第3図」を参考に、実際にエゾリンドウの分解観察を試みた結果を模式化したものである。
  3. 「成果の内容・特徴2(2)」の手順を行う際に、芽序の旋回方向(左右)の判断に迷う際は、花茎長のグラデーションが自然なほうを選択する。
  4. ササリンドウについては未検討である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
新肥料の実用化2りんどう採花期間における環境にやさしい肥料の検討
予算区分
民間委託(岩手県施肥合理化協議会)
研究期間
2011 年度
研究担当者
阿部弘、大友英嗣、藤原一道