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地下水を利用する積雪寒冷地に適した水熱源ヒートポンプシステム

[要約]

井水を熱源とするオープン方式※の水熱源ヒートポンプは、暖房時の霜取り運転がないため、4.0 以上の高いCOP が得られる。ランニングコストは灯油暖房の30%、空気熱源ヒートポンプの60%程度に抑えられ、CO2排出量は灯油暖房の40%程度に削減できる。

[キーワード]

地下水 ヒートポンプ 暖房 冷房 COP CO2

[担当]

山形県庄内総合支庁農業技術普及課産地研究室

[代表連絡先]

電話0234-91-1250

[区分]

東北農業・野菜花き(花き)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

現在、製品化されている農業用ヒートポンプは空気熱源方式であり、東北地方のような積雪寒冷地では、暖房時の霜取り運転による成績係数(COP)の低下が問題となっている。このため、安定した熱源である地下水を利用した水熱源ヒートポンプシステムを開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 本システムの特徴
    1. ビル空調用の水熱源ヒートポンプユニットに、循環液(不凍液)と地下水等との熱交換を行うプレート式熱交換器を組み合わせたシステムである(図1写真1)。
    2. 井水等を熱源とするため、暖房時には空気熱源ヒートポンプのような霜取り運転がなく、COP は4.0 以上と空気熱源型より高い。また、冷房時のCOP も4.5 と高い(表1)。
  2. ランニングコストおよびCO2排出量
    1. 暖房を全て本システムで行った場合の経費は、灯油暖房の30%、空気熱源ヒートポンプの60%程度となる。また、CO2排出量を灯油暖房の40%程度に削減できる(表1)。
    2. 本システムを冷房に利用した場合、空気熱源ヒートポンプと比較して電気代は80%程度となる(表1)。
  3. 本システムを利用した場合の作物の生育および品質
    1. オリエンタルハイブリッドユリにおいて本システムを暖房に利用した場合、生育・品質は灯油暖房や空気熱源ヒートポンプと変わりない。また、夜間冷房に利用した場合では、無処理と比較して草丈が高くなり品質の向上が図られる(表2)。

※オープン方式:井戸から地下水をくみ上げて利用する方式

[成果の活用面・留意点]

  1. COPは79.2平方メートルのパイプハウスで8馬力タイプのユニットを使用した場合の結果である。
  2. 経費は燃料価格や電力料金の契約内容により変化する。
  3. COP は利用する水源と機器の設定により多少の変化が想定される。
  4. 養液栽培の原水や消雪に井水を利用している場合は、流用することが出来る。
  5. 水質によってフィルターの設置やメンテナンスが必要である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
積雪寒冷地型ヒートポンプシステムと効率的利用技術の開発
予算区分
県単
研究期間
2009〜2011 年度
研究担当者
菅原敬、古野伸典