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消費者調査による国産ナタネ油(圧搾法)の認知度と受容価格

[要約]

国産ナタネ油(圧搾法)の消費者の認知度は23.7%で、自家消費用の消費者の受容価格は、提供価格帯が780〜1,037 円、値ごろ感のある価格帯が780〜921 円であった。受容価格を上げるためには、認知度・喫食経験を高めることが必要である。

[キーワード]

ナタネ油、国産ナタネ、消費者受容価格

[担当]

福島農セ・企画経営部・経営・農作業科、東北農研・生産基盤研究領域

[代表連絡先]

電話 024-958-1700

[区分]

東北農業・基盤技術(経営)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

耕作放棄地の有効利用として、全国的にナタネ栽培が推進されている。しかしながら、国産ナタネから圧搾法により搾油された油は、一般的に流通していない。

そこで、消費者に対してのインターネット調査により国産ナタネ油の認知度、印象、地域性、受容価格を整理し、国産ナタネ油の消費拡大方策を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 国産ナタネ油(圧搾法)の認知度は23.7%、喫食経験は15.7%であった。九州(鹿児島県+熊本県)、福島県、首都圏(埼玉県+千葉県+東京都+神奈川県)の地域の違いによる認知と喫食経験では、認知度は九州、福島県、首都圏の順に高く、喫食経験には地域差が認められなかった(図1)。
  2. 国産ナタネ油(圧搾法)を食べたことのある消費者の印象は、味、香り、色については好評だが、価格が高いというマイナス印象がある(図2)。
  3. 国産ナタネ油(圧搾法)を自家消費用に購入する受容価格についてPSM(価格感度分析)の結果、1kg 当たりの下限価格((2)と(4)の交点)=780 円、最小抵抗価格((3)と(4)の交点)=902 円、無差別価格((1)と(2)の交点)=921 円、上限価格((1)と(3)の交点)=1,037 円であり、提供価格帯(下限価格〜上限価格)は780〜1,037 円、値ごろ感のある価格帯(下限価格〜無差別価格)は780〜921 円であった(図3)。この受容価格を生産面から見ると、ナタネの全算入生産費は18,256 円/60kg(農林水産統計平成21 年産なたね生産費都府県調査より)で、ナタネ油に換算(搾油率30%)すると原料種子代のみで1,014 円/kg であり、さらに搾油・包装資材・流通経費が加わることから、この価格での提供は難しい。
  4. 国産ナタネ油(圧搾法)の流通拡大を図るためには、喫食経験のある消費者の印象が良いこと、認知や喫食経験のある人ほど受容価格は高くなっていること(表1)を活かし、消費者の受容価格を上げることが必要である。さらに、生産現場では農業者戸別所得補償制度の活用や副産物である油かすの有利販売により、生産物価格低減の努力が必要である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 国産ナタネ油(圧搾法)の生産・流通量拡大を推進するうえでの、流通価格設定の参考として活用できる。
  2. 経営へのナタネ作導入に当たっては、農業者戸別所得補償制度等の活用が望ましい。
  3. 副産物である油かすは、有利販売が求められるが、地域・用途により販売条件が異なる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
耕作放棄地を活用したナタネ生産及びカスケード利用技術の開発
予算区分
交付金(ナタネ)
研究期間
2009〜2011 年度
研究担当者
古川茂樹、新妻俊栄、野中章久(東北農研)、小野洋(東北農研)