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飼料畑および不定形・波丘状草地におけるトラクタ搭載型GPS作業支援システムを活用した除草剤散布作業精度の向上

[要約]

トラクタ搭載型GPS作業支援システムの活用により飼料用トウモロコシ圃場における除草剤散布作業の面的な作業重複および散布漏れは各々1%以下に、また、不定形・波丘状草地における散布漏れは1%台に低減され、精密で効率的な薬液散布が可能となる。

[キーワード]

トラクタ搭載型GPS、除草剤散布、飼料用トウモロコシ、不定形・波丘状草地

[担当]

岩手県農業研究センター・畜産研究所・外山畜産研究室

[代表連絡先]

電話019-681-5011

[区分]

東北農業・畜産

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

圃場全面処理を原則とする飼料用トウモロコシの除草剤散布作業(土壌処理)では、ブームスプレイヤ等作業幅が大きい機械を用いた作業に当たり、目測および経験等を頼りに作業が行われることが多い。また、同様に不定形かつ見通しのきかない波丘状草地の全面散布では、作業途中において、その進捗状況の把握が難しいことから散布漏れが生じるなど必ずしも適切に作業が行われていない。そこでトラクタ搭載型GPS作業支援システム(以下「トラクタGPS」)を活用することで、これらの作業精度の向上を試みる

[成果の内容・特徴]

  1. トラクタGPS は全地球測位システム(Global Positioning System)を活用したトラクタ位置情報の取得により、モニタ画面で作業幅の軌跡を表示すると同時に次の走行予定位置・方向が指示されるシステムである(写真)。
  2. 飼料用トウモロコシ圃場の除草剤散布作業(土壌処理)においてトラクタGPS を利用することで、作業重複および散布漏れがいずれも1%以下に低減される(図1)。
  3. 不定形・波丘状草地の除草剤散布作業では、散布漏れはトラクタGPS を利用することで、利用しない場合の9.3%から1.3%程度に低減される。また、単位面積あたりの必要薬液量と実際の薬液散布量はほぼ同一となる(図2)。
  4. 除草剤散布時の作業速度にトラクタGPS 使用による影響は生じない。また、低速作業を要する草地除草剤散布作業においてもGPS の方向指示・捕捉上の問題はない(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象 公共牧場、または大規模圃場を有するTMR センター、コントラクターおよび生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等県下全域の畜産関連組織および農場における普及目標台数10 台
  3. その他
    1. 県内の畜産関連組織および農場において2011 年末5台の導入実績があり、2012 年度新たに5台の導入計画がある。
    2. 本研究ではNikon-Trimble 社製「EZ-Guide250」(定価306,000 円)および「AG15」アンテナ(94,000 円)を供試した(価格は2011.1 現在の税抜価格)。
    3. 除草剤散布にはブームスプレイヤ(作業幅:トウモロコシ16.8m、草地9.8m、いずれも実測平均値)を用いた。
    4. 圃場外周部に防風林等の障害物がある場合、GPS 精度が低下することがある。
    5. 障害物または圃場条件から、トラクタGPS の指示通りに走行できない場合は当該システムはあくまで補助的利用にとどめること。
    6. 散布漏れおよび作業重複面積は、GPS のshp.データをdxf.データに変換し、CAD プログラム(JW_CAD Ver.7.03)を用いて解析を行った。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
トラクタ搭載型GPS を活用した草地の精密管理技術
予算区分
県単
研究期間
2010〜2011 年度
研究担当者
増田隆晴、菊池恭則、長内幸一