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“いぶりたくあん漬”に適した加工用ダイコン新品種「秋農試39号」

[要約]

「秋農試39号」は、“ いぶりたくあん漬” への適性が高い加工用ダイコンF1品種である。この品種は、“ ス入り” や空洞がほとんど発生せず、商品根率が高い。さらに、根部が揃い、根肌に細根や横すじが少ないため、加工品の外観品質が向上する。

[キーワード]

いぶりたくあん漬、加工用ダイコン、秋農試39号、F1、ス入り

[担当]

秋田農技セ農試・野菜・花き部・園芸育種種苗担当

[代表連絡先]

電話018-881-3330

[区分]

東北農業・野菜花き(野菜)

[分類]

普及成果情報

[背景・ねらい]

秋田県の特産品として知られる“いぶりたくあん漬”の原材料には、肉質の硬い「山形」(固定種)が好適品種として長く用いられてきた。しかし、近年、品種の退化が著しく、根形のばらつき等により、多くの廃棄が生じ、生産者は大きな負担を強いられている。また、現地からの要望を受けて育成されたF1品種「秋田いぶりこまち」(2003 年)は、根形の揃いが良いものの、栽培条件によっては“ス入り”が早く、空洞も発生しやすいことから、普及は一部の生産者に限定されている。そこで、“ス入り”や空洞が発生しにくく商品根率の高い加工専用品種の育成を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 「秋農試39号」は、市販の固定種「山形」から選抜固定した2系統(YM-5、YM-8)を、自家不和合性を利用して組み合わせて育成した正逆交配によるF1品種である(図1)。
  2. 商品根率が94 %と「山形」(対照品種)や「秋田いぶりこまち」(参考品種)より高く、“ス入り”や空洞がほとんど発生しない(表1)。
  3. 根外部特性は、根重が1027gと適度で根長が長く、首部が細い“中ぶくれ型”の形状である。細根や“横すじ”が少なく、根肌がなめらかで加工用に適する(写真1表1)。
  4. 根内部特性は、硬度が高く、「山形」や「秋田いぶりこまち」と同様に硬めである。肉質は緻密で、乾物率は「秋田いぶりこまち」よりやや低いものの、「山形」よりやや高く、“いぶり”に適している(表1)。
  5. 加工特性は、加工後の製品歩留まりが高い。製品の色、しわ、硬さ、食感ともに「山形」や「秋田いぶりこまち」と同等である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 普及対象は、県内の“いぶりたくあん漬”生産者及び加工事業者等である。なお、種子の供給については、当面秋田県内限定とする。
  2. 普及予定地域は県内一円。普及予定面積は、現在の主要品種の一つ「山形」と置き換わるとして20ha以上が見込まれる。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
秋田ブランド野菜産地拡大・強化を目指したオリジナル品種育成
予算区分
県単
研究期間
2008 〜 2011 年度
研究担当者
椿信一、佐藤友博
発表論文等
「秋農試39号」品種登録出願2011 年7 月22 日(第26165 号)