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非黒ボク土におけるキャベツのリン酸半量減肥

[要約]

キャベツ栽培において、可給態リン酸が約13mg/100g 以上の灰色低地土および約50mg/100g 以上の褐色森林土では、定植前リン酸施用を省略しても圃場へのリン酸を半量減肥可能である。

[キーワード]

定植前リン酸施用、キャベツ、リン酸、減肥

[担当]

福島農総セ・生産環境部・環境・作物栄養科

[代表連絡先]

電話024-958-1718

[区分]

東北農業・基盤技術(土壌肥料)

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

近年の肥料原料の高騰は農家の経営を圧迫しており、それに対応した減肥栽培技術の実用化が緊急の課題となっている。その中でも、リンの価格は高騰しており、原料であるリン鉱石は将来的には枯渇する懸念があるため施用量を低減することが必要である。

定植前リン酸カリ液施用は、黒ボク土におけるキャベツとスイートコーン栽培で本圃のリン酸施肥量を半量削減可能な技術である。しかし、適用可能な可給態リン酸の量や非黒ボク土での適用性は明らかになっていない。そこで、灰色低地土および褐色森林土のそれぞれ可給態リン酸が異なる圃場において、キャベツの定植前リン酸カリ液施用の有無による収量への影響を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. トルオーグ法による可給態リン酸が13.2〜15.3mg/100g 程度の灰色低地土では、定植前にリン酸カリ液を処理せずに圃場へのリン酸を半量減肥しても結球重は低下せず、圃場へのリン酸を半量減肥できる(図1)。
  2. 可給態リン酸が約50mg/100g の褐色森林土では、定植前にリン酸カリ液を処理せずに圃場へのリン酸を半量減肥しても結球重は低下せず、圃場へのリン酸を半量減肥できる (図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成果は、タキイの種まき培土(N-P2O5-K2O:0.46-0.5-0.44g/L)を充填した72 穴セルトレイで育苗したキャベツ(品種:秋徳SP)についての結果である。
  2. 定植前リン酸カリ液施用は、定植直前に0.5%リン酸カリウム水溶液(KH2PO416.5g、K2HPO47.0g を1L の水に溶かす)へ1時間浸漬する。
  3. 本試験のリン酸施肥量は、福島県施肥基準に従い、標準が27kg/10a、半量が13.5kgである。
  4. 非黒ボク土でリン酸を半量減肥する場合、リン酸カリ液の定植前施用が必要となる可給態リン酸値の閾値は不明である

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
定植前リン酸施用による野菜の施肥削減技術の実証
予算区分
国庫(地域内資源を循環利用する省資源型農業確立のための研究開発)
研究期間
2010 年
研究担当者
根本知明、佐藤睦人