研究所トップ≫研究成果情報≫平成25年度
再生イネ中放射性セシウム濃度に基づく基準値超え玄米の生産ほ場の特定
[要約]
同一地域の異なるほ場間でも、収穫後の再生イネ中の放射性セシウム濃度から玄米中放射性セシウム濃度を推定でき、基準値を超える玄米が生産されたほ場を特定できる。
[担当]
福島農業総合センター・生産環境部
[代表連絡先]
電話024-958-1718
[区分]
東北農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
玄米において基準値を超える放射性セシウムが検出された場合、そのほ場を特定し、土壌の特徴や栽培管理法を調査・解析する必要がある。しかし、収穫物は複数水田の生産物が混合されていることが多く、基準値超えの玄米がどのほ場から生産されたか特定が困難である。このため、収穫後に発生する再生イネ中の放射性セシウム濃度から当該ほ場で生産された玄米中放射性セシウム濃度を推定する手法を検討し、基準値を超える玄米が生産されたほ場が特定できる手法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 再生イネでは、土壌中交換性カリの増加に伴い、玄米と同様に放射性セシウム濃度が低下する(図1)。
- 再生イネ中放射性セシウム濃度と玄米中放射性セシウム濃度には高い相関がみられ、異なるほ場間でも同様の傾向がみられる(図2)。この結果、再生イネ中放射性セシウム濃度から玄米中放射性セシウム濃度が推定でき、基準値を超える玄米が生産されたほ場を特定できる。
[成果の活用面・留意点]
- 本試験地の土壌は灰色低地土で、2011 年度産の玄米から基準値を超える放射性セシウムが検出されたほ場である。
[具体的データ]


(福島県)
[その他]
- 研究課題名
- 放射性物質吸収抑制技術の開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2013 年度
- 研究担当者
- 齋藤 隆、高橋和平、佐藤睦人(福島農総セ)