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高温期の園芸施設内におけるファン付き作業服の暑さ軽減効果を高める着用方法
[要約]
ファン付き作業服の中に機能性繊維素材のインナーを着用すると、服内温度は周辺室温より最大3℃低下する。着用者の評価が高いアイスタッチ素材インナーの胸側に水を霧吹きすると、服内温度は霧吹き前よりも3℃~5℃低下し 10 分程度持続する。
[キーワード]
空調服、機能性繊維素材、服内温度、アイスタッチ、霧吹き
[担当]
宮城県農業・園芸総合研究所・情報経営部
[代表連絡先]
電話 022-383-8114
[区分]
東北農業・農業生産基盤(作業技術)
[分類]
研究成果情報
[背景・ねらい]
高温期の園芸施設内作業は過酷な暑熱環境下で行われている。これら施設内での高温作業時の熱中症リスク対策として、胴体部の暑さ軽減に有効なファン付き作業服(商品名:空調服、以下「空調服」)の効果を高める着用方法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 空調服を着用するときのインナーを表1に示した機能性繊維素材にすると、服内温度(空調服とインナーの間の温度)が作業者周辺の室温より0℃~3℃低下し、綿 100 %素材のインナーに綿作業服を着用すると 0.6 ℃~ 5.5 ℃上昇する(図1)。
- 3種類の機能性繊維素材インナーの暑熱軽減効果に対する評価は、いずれも冷涼感があり、特に身体にフィットして着用するアイスタッチ素材は体感的にも評価が高い(表1)。
- 空調服を着用するときのインナーにアイスタッチ素材を使用し、その胸側に水を霧吹きすると、服内温度は霧吹き前より3℃~5℃低下し 10 分程度持続する(表2,図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 作業負荷の試験は、所内のビニールハウス内において WBGT(湿球黒球温度、暑さ指数)を 28 ℃以上に保ち、自転車エルゴメーターを使用して実施している。
- 高温条件下での作業は熱中症に対するリスクが非常に大きく、各関係省庁が通達している熱中症対策を遵守することが第一である。
[具体的データ]




(宮城県農業・園芸総合研究所)
[その他]
- 研究課題名
- 宮城県南部沿岸地域の水資源・未利用エネルギーを活用した中規模園芸生産システムの技術開発
- 高温期の施設内作業を快適にする簡易冷却装置の開発
- 予算区分
- 受託(食料生産地域再生のための先端技術展開事業)、県単
- 研究期間
- 2012 ~ 2014 年度
- 研究担当者
- 酒井博幸、高橋正明、庄子友夫
- 発表論文等