- [要約]
- 乳用雌牛から分娩後早期に採胚する場合、2回目の発情よりも3回目の発情を確認してから過剰排卵処理を開始すると、正常胚数が多く、正常胚率も高い傾向を示した。
京都府畜産研究所・大家畜部
[連絡先] 0773-47-0301
[部会名] 畜産
[専 門] 繁殖
[対 象] 乳用牛
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 乳用雌牛から、良質胚を多く採取するため、分娩後の早期に過剰排卵処理(SOV)を開始する時期について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 分娩後2回目の発情(6頭)と3回目の発情(8頭)を起点として、SOVを開始する2区分について採胚成績等を検討したところ、3回目区は回収胚数、正常胚数が多く、正常胚率も高い傾向を示した(表1)。
なお、3回目区と2回目区の分娩後初回発情回帰日数の差が大きいことから、初回発情回帰日数を40日以下と41日以上に区分して採胚成績を比較したが、回収胚数、正常胚数とも差はなかった(表2)。
[成果の活用面・留意点]
泌乳中の採胚技術として活用でき、酪農家での現場採胚に活用すると優良後継牛の増産が可能となる。なお、分娩後初回発情の確認が大切である。
[その他]
研究課題名 : 乳用雌牛の過剰排卵処理開始時期が採胚成績に及ぼす影響
予算区分 : 府単
研究期間 : 平成9年度(平成6~8年)
研究担当者 : 藤野日出海、岩本尚史、森下賀之
発表論文等 : 京都府畜産研究所試験研究成績、36号、1996.
京都府畜産研究所試験研究成績、37号、1997(掲載予定)
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