暖地型マメ科作物の収量・品質とソルガムとの混播適性


[要約]
暖地型マメ科作物数種の特性を比較した結果、ファーゼイビーン、ラブラブビーン、グリーンリーフは収量性、品質に優れ、機械刈りでの収穫ロスの小さい有望種である。また、ラブラブビーンとセスバニアは、ソルガムとの混播栽培に適する草種である。
山口県農業試験場・経営作物部・牧草育種研究室
[連絡先]  0839-27-7021
[部会名]  畜産
[専 門]   栽培
[対 象]   牧草類
[分 類]   研究

[背景・ねらい]
 夏期における粗飼料生産は低蛋白・高カロリーのトウモロコシ、ソルガムへ偏っており、不足する蛋白質は購入飼料に依存しているのが現状である。そこで、一般的にイネ科作物より蛋白質、ミネラル、消化性が高いとされるマメ科作物のなかで、暖地型の数草種を用い、これらの収量・品質並びにソルガムとの混播適性を把握し、西南暖地における導入の可能性について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. キマメ、クロタラリア、セスバニア、グリーンリーフ、ギンネムは直立型、ファーゼイビーン、ラブラブビーンは中間型蔓状を呈した(表1)。中間型蔓状の草種は茎葉が互いに絡み合う巻き上がりがみられ、直立型と同様に機械刈での収穫ロスが比較的小さい草種である。
  2. ファーゼイビーン、キマメ、グリーンリーフ、スタイロ、ラブラブビーンは80kg/a以上の高い乾物収量が得られる。キマメ、スタイロについては粗繊維含有率が比較的高く、消化性が低い(表1)。
  3. サイラトロ、ラブラブビーン、ゲダイズ、グライシン、青刈大豆、ファーゼイビーンは粗蛋白含有率が13%以上を示し、このうち、ファーゼイビーン、ラブラブビーンでは粗蛋白生産量が12kg/a以上と高い(表1)。
  4. ソルガムとの混播栽培では、蔓状を呈する草種の中でラブラブビーンの巻き上がりが最も旺盛で乾物収量に占める割合が高く、粗蛋白生産量はソルガム単播に比べて10%程度の増収となる。直立型ではセスバニアがグリーンリーフより生育速度が早く、乾物収量に占める割合と合計乾物収量が高い(表2)。
  5. 以上の結果から、グリーンリーフ、ファーゼイビーン、ラブラブビーンは、収量性、品質に優れ、機械刈りでの収穫ロスの小さい有望種である。また、ラブラブビーンとセスバニアは、ソルガムとの混播栽培に適する草種である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 西南暖地において暖地型マメ科作物の導入が充分可能であることが示唆された。
  2. 種子の流通体制が整備されていないため、購入には予約注文が必要である。

[その他]
研究課題名 : マメ科飼料作物を組み入れた転換畑における高品質粗飼料生産技術の確立
予算区分   : 県単
研究期間   : 平成9年度(平成6〜8年)
研究担当者 : 小橋健、中村照臣
発表論文等 : なし
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