山口型イチゴ高設栽培システムの開発
- [要約]
- 立ち姿勢で作業できるイチゴ高設栽培システムを開発した。組立てを容易にするため部材をキット化し、ほとんどの部材をポリエチレンのリサイクル品で構成した、環境へ配慮したシステムである。
山口県農業試験場・栽培技術部・園芸栽培グループ
[連絡先] 083-927-0211
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専 門] 栽培、農業施設
[対 象] 果菜類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 県内の生産者が開発したイチゴ高設栽培システムの改良が求められるとともに、培地量が少なく安価で設置できるシステム開発の要望があった。経費が安価(200万円/10a以内)で、自家施工が可能、環境へ配慮したシステムであることをコンセプトとして開発を行う。
[成果の内容・特徴]
- 開発したシステムでは部材のほとんどをポリエチレンのリサイクル品で構成し、使用後に再生処理が可能である。部材をキット化されており、組立てが容易で、自家施工できる。ジョイントストッパーにより、装置設置後の高さ調節を可能にしたこと、パイプに替わる沈下防止具として開発したパットを用い、資材費を削減したこと等が本システムの特徴である(図1,2)。
- 内成り方式を採用することで、果実温が確保でき、着色が安定する(図3)。
- 傾斜のついたネットを2条のラック間に配置し、有孔ポリフィルムで覆うことで果実下への水溜まりを防止する(図2,4)。
- 排液回収樋を装備し、排液の循環使用が可能である。
- 土耕並の収量が確保できる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 県内でイチゴの軽作業化を望む農家を対象に普及をはかる。現在県下6か所(2,689u)で実証試験中である。
- 本システムの特許を申請中である(平成11年6月1日 特許平11-153576)。
- 本システムは、S社から平成11年度より販売が開始されている。
[その他]
研究課題名:野菜花きの養液栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成8〜11年)
研究担当者:内藤雅浩、重藤祐司、日高輝雄
発表論文等:なし
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