冬季花壇用苗物の栄養繁殖系有望品目と作型開発


[要約]
冬季花壇用苗物の有望品目として、花壇用苗物の主品目である秋出荷パンジー・ビオラと作業分散が可能で、同時期に出荷でき、耐寒性がある栄養繁殖系6品目を選定し、その作型を開発した。
京都府農業総合研究所・花き部 
[連絡先] 0774-62-0048
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専 門] 栽培
[対 象] 花き類
[分 類] 普及

[背景・ねらい]
 近年のガーデニングブームの中で、冬季花壇の主役であるパンジーやビオラとともに植付け可能で、装飾性を高めることができる品目が求められている。そこで、生産規模拡大と新たな需要拡大を図るため、11月中下旬出荷パンジー・ビオラの作業と競合することなく作業分散が可能で、同時期に出荷でき、耐寒性がある栄養繁殖系の有望品目と作型を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 11月中下旬出荷のパンジー・ビオラの慣行作型を、8月上中旬は種、9月中旬鉢上げと想定し、作業が競合せず、出荷時期が同じで、耐寒性があることを選定基準として、栄養繁殖系の有望品目を6品目選定し、その特性(表1)と開発した作型(図1)を示す。
  2. 耐寒温度は、露地栽培において、低温による葉や株の障害が0〜20%以下で、その後の生育・開花、観賞性に影響がない最低温度を示す(表1)。
  3. シバザクラは鉢上げ後の10月初旬から16時間日長の長日処理を行うと、11月上旬には開花株出荷が可能となる(表2表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 適品種以外の品種は、開花期や草姿、耐寒性など異なることもあり、品種選定にあたっては注意を要する。
  2. ヒメツルソバは耐寒性がやや弱いので(表1)、出荷市場を限定し、霜よけ程度の防寒が必要なことを利用者に知らせる必要がある。
  3. 加温ビニルハウス栽培により、10月中下旬からは最低温度10℃で加温を行う(図1)。徒長を防ぐため、加温時期まではハウス側窓を開放する必要がある。

[その他]
研究課題名:小型容器による花壇用苗物の需要拡大のための高位性生産と軽作業化技術の確立
      −地域性を活かしたオリジナル品目の開発
予算区分 :地域重要新技術
研究期間 :平成11年度(平成9〜11年)
研究担当者:土橋 豊
発表論文等:なし

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