薬用植物ヤマトトウキの鉢花化
- [要約]
- ヤマトトウキの鉢花栽培は、根茎15mm以上の苗を用い、根は切断しないで定植する。元肥は用いず液肥等の追肥を行う。仕立て方は3本仕立が花の印象もよく適当である。
奈良県農業試験場・栽培技術担当・花き栽培チーム
[連絡先] 0744-22-6201
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専 門] 栽培
[対 象] 花き類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- ヤマト(オオブカ)トウキは自生のミヤマトウキを選抜、栽培化したとされ、古くから生薬材料として、奈良県では宇陀郡、吉野郡等で栽培されてきた山野植物資源であるが、新たに花き産品として利用するため栽培法を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 最大根径8mm未満の苗は開花せず、根径が太くなるに従い開花株率は高くなった。また、根径の太い苗は開花が早く、花茎長は長くなる(表1)。
- 苗の根を切断して鉢に定植すると、切断程度が大きいほど非抽台、根腐株率が高くなり、開花株率が低くなる(表2)。
- 栽培用土への施肥量が多くなると、根腐株率が高くなり、開花株率が低くくなる。また、花の大きさは小さく花茎は短くなる(表3)。
- 3本仕立てとするための摘心は、抽台長9cm時の摘心処理が、16cm時処理より開花はやや早まり、花茎は長く、そろいもよかった。
[成果の活用面・留意点]
- ヤマトトウキの根は腐敗しやすいので、排水のよい用土を利用する。
- 図1 [具体的データ]
[その他]
研究課題名:薬用・山野植物の園芸利用
予算区分 :県単
研究期間 :平成9~11年(11年)
研究担当者:川岡信吾
発表論文等:なし
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