バラのハイラック整枝法における好適な採花母枝の長さ
- [要約]
- ロックウール耕によるハイラック整枝法の切り花バラ‘ローテローゼ’において、採花母枝の長さを15p〜20pにすると70p以上の切り花本数が増加することによって、1株当たりの総収量が増加する。
広島県立農業技術センター・園芸研究部
[連絡先] 0824-29-0521
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専 門] 栽培
[対 象] 花き類
[分 類] 普及
-
[背景・ねらい]
- バラの切り花生産においては、単価の下落から収穫本数を増加させるための技術が求められている。そこで、ロックウール耕によるハイラック整枝法において、収穫本数を増加させるための好適な採花母枝の長さについて検討する。
[成果の内容・特徴]
- 6,000株/10a定植した場合の収穫開始から1年間の1株当たりの収穫本数は、1年目、2年目ともに採花母枝の長さが15pおよび20pの場合に多くそれぞれ29本と32本である(図1)。一方、採花母枝の長さが5pおよび10pの場合の収穫本数は、それぞれ21本と27本で少ない。
- 切り花長が70p以上の収穫本数は、収穫開始1年目よりも2年目のほうが多くなる。収穫開始2年目の70p以上の切り花の収穫本数は、採花母枝の長さが15pおよび20cmの場合には27本であるが、5pの場合には20本、10pの場合には23本である。
- 採花母枝の長さが長くなると、切り花長および切り花重がやや小さくなる傾向が認められるが、切り花品質には影響を及ぼさない(表1)。
- 花茎基部5cmずつ残して収穫を行いながら3回切り上げて採花母枝を15pにした場合の収量は、5cmで1回および5pずつ2回切り上げた場合よりも多い(図2)。また、採花母枝の切り上げ回数は、切り花品質に影響を及ぼさない(データ省略)。
- 以上の結果から、ロックウール耕によるハイラック整枝法においては、採花母枝の長さを15p〜20pにすることによって、単価の高い70p以上の切り花収量および総収穫本数ともに増加し、切り花品質は低下しない。
[成果の活用面・留意点]
‘ノブレス’では、採花母枝の長さが収穫本数にあまり影響を及ぼさない。
[その他]
研究課題名:有望花きによる企業的経営体を育成する周年就業体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成9〜10年)
研究担当者:梶原真二、勝谷範敏
発表論文等:平成11年度花き課題別研究会、ハイラック整枝法の現状と問題点、35-41、1999.
目次へ戻る