冬季花壇用苗物の木本類有望品目と作型開発


[要約]
冬季花壇用苗物の木本類有望品目として、秋出荷パンジー・ビオラと作業分散が可能である6品目を選定し、その作型を開発した。ユキヤナギは5℃の低温処理後の加温で開花促進され、ツバキはBAを4〜5月に散布すると着らい数が増加する。
京都府農業総合研究所・花き部
[連絡先] 0774-62-0048
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専 門] 栽培
[対 象] 花き類
[分 類] 研究

[背景・ねらい]
 近年のガーデニングブームの中で、冬季花壇の主役であるパンジーやビオラとともに植付け可能で、装飾性を高めることができる品目が求められている。そこで、生産規模拡大と新たな需要拡大を図るため、11月中下旬出荷パンジー・ビオラの作業と競合することなく作業分散が可能な木本類の有望品目と作型を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 11月中下旬出荷のパンジー・ビオラの慣行作型を、8月上中旬播種、9月中旬鉢上げと想定し、作業が競合しないことを選定基準として、木本類の有望品目を5品目選定し、その特性(表1)と開発した作型(図1)を示す。
  2. ユキヤナギの開花促進は、11月上旬に5℃、20日間(暗条件)の低温処理を行い、その後、加温(最低13℃)すると、12月上旬には開花する。
  3. ツバキ‘有楽’の着らい数は、ベンジルアデニン(BA)500ppmを4〜5月に散布すると増加する(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 適品種以外の品種は、開花期、着らい数などが異なることがあるので、品種選定にあたっては注意を要する。
  2. ツバキ‘初嵐’は、1月中旬開花になるので、着らい株を出荷する。
  3. ユキヤナギは低温処理を行っても12月上旬開花になるので、着らい株を出荷する。
  4. ベンジルアデニンには、ツバキへの植物生育調節剤としての適用登録はない。
表2 [具体的データ]

[その他]
研究課題名:小型容器による花壇用苗物の需要拡大のための高位生産と軽作業化技術の確立
      −地域性を活かしたオリジナル品目の開発
予算区分 :地域重要新技術
研究期間 :平成11年度(平成9〜11年)
研究担当者:弓勢久美子
発表論文等:なし

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