[成果情報名]

ライスフラワーの挿し木繁殖法

[要約]ライスフラワーの挿し木繁殖法では、発根促進剤(IBA)を使用しなくとも、挿し木後50日で鉢上げ可能となる。また、挿し穂部位には新梢、花序のいずれも利用できるが、系統によっては花序を用いた場合に発根苗率や発根数が劣る。
[キーワード]ライスフラワー、挿し木繁殖、IBA
[担当]高知農技セ・作物園芸部・花き科
[連絡先]088-863-4911
[区分]近畿中国四国農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ライスフラワーは、オーストラリア北東部に自生するキク科の低灌木で、米粒状の蕾を観賞する花木であり、主に9~12月に切り花が輸入されている。この花きは低灌木であることから数年の据え置き栽培による省力的な栽培が可能であり、日本で生産した場合は輸入品と競合しない3~4月に採花できる。一方、日本の気候はオーストラリアと比べて冬季は寒冷で、夏季は高温・多湿となることから、オーストラリアに自生する品目は冬季の低温や梅雨時以降の高温多湿で枯死するものが多い。そこで、日本の気候に適した選抜系統を用いて挿し木繁殖法を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 発根苗率には、発根促進剤(IBA)の処理の有無による差はなく、挿し木の50日後には鉢上げが可能となる(表1)。
  2. 発根数は、発根促進剤の短時間浸漬処理により増加する(表1)。
  3. 発根促進剤を処理しなかった場合、ピンクや赤の系統では花序の管挿しでも新梢の天挿しや管挿しと同様に発根するが、白の系統では花序の管挿しで発根苗率や発根数が劣る(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 挿し木にはIBAの処理は不要であり、登録されていないので使用しない。
  2. 挿し穂は調整後、挿し木までに十分に水揚げしておく。
  3. 冬季の低温時には10~15℃に加温した施設下で密閉挿しする。
  4. 夏季の高温時に密閉挿しすると発根率が劣ることから、ミスト施設の利用が望ましい。
  5. 挿し床には排水の良い無病の培地を用いる。

[具体的データ]

表1


[その他]
研究課題名ライスフラワーの栽培技術の確立
予算区分県単
研究期間1998~2000年度
研究担当者二宮千登志、高野恵子
発表論文等なし

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