[成果情報名]

ウメ果実に食入するアカマダラケシキスイの物理的防除

[要約] アカマダラケシキスイ幼虫の物理的防除として、収穫ネットの果実が停留する部分だけを地面から離す方法で幼虫の寄生を防止できる。また、ウメの収穫果実を水に浸漬処理すると食入幼虫が果実から離脱し、梅干しへの混入を防止できる。
[キーワード]アカマダラケシキスイ、ウメ、水浸漬、物理的防除
[担当]和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場・環境部
[連絡先]0737-52-8717、naka_k0004@pref.wakayama.lg.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、和歌山県産の梅干しに混入するアカマダラケシキスイ幼虫(主に終齢)に対する消費者の苦情が増加傾向にある。地面に4mm目のネットを敷き落果果実を集める収穫法においてのみ混入被害が発生する。梅干しは健康食品のイメージが強く、薬剤以外の防除法が望まれていることから、物理的防除法を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 傾斜地の地面に4mm目のネットを敷き落果果実を集める収穫法において、果実が停留す る部分だけを約10cm程度掘り下げ鉄パイプで収穫ネットを浮かせて、果実を地面から離すと幼虫の寄生を防止することができる(図1)。
  2. 種は歩行移動が活発なため完全ではないが果実の停留する部分に1mm目のネット   を敷くと幼虫の寄生を減らすことができる。しかし、4mmネットの下に白色透湿性シートを敷いた場合は両者の間に傷んだ果実や果肉のカスが乾燥せず溜まり、幼虫の発生源となり寄生を減らすことができない(図1)。
  3. 幼虫が食入したウメ果実を個別に水浸漬処理すると、10分以内で約8割の幼虫が果 実から離脱し、30分以内ですべての幼虫が離脱する(図2)。
  4. 幼虫が食入した多数の果実を同一の容器に水浸漬処理すると、果実の重なり合い等の影響から個別浸漬処理に比べ離脱時間は長くなるが、30分以内で96.2%の幼虫が果実から離脱 し、1時間以内で全ての幼虫が離脱する(図3)。
  5. 以上の結果から、収穫ネットの果実が停留する部分の改良及び収穫した果実の水浸漬 処理は、種の梅干し混入被害防止の有効な物理的防除方法である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 収穫ネットの果実が溜まる部分の改良は果実が転がり集まってくる傾斜地のみで適用できる。 果実が停留した重みで地面に接しないように注意する。
  2. 水浸漬による収穫果実への影響については40分〜1時間浸漬した場合でも梅干しの漬け上 がりに何ら問題はないが、作業工程の軽労化を検討する必要がある。
[具体的データ]



[その他]
研究課題名アカマダラケシキスイのウメ果実への食入被害に対する物理的防除
予算区分国補
研究期間2001〜2003年
研究担当者中 一晃、大橋弘和

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