[成果情報名]

非病原性フザリウム菌と蒸気消毒を併用したカーネーション萎凋病の発病抑制効果及びその持続性

[要約] カーネーション萎凋病に対し、土壌を蒸気消毒後、非病原性フザリウム菌を土壌灌注し混和処理することで、高い発病抑制効果が認められる。また、その効果は2年間持続する。
[キーワード]カーネーション萎凋病、非病原性フザリウム菌、蒸気消毒
[担当]香川農試・病害虫担当
[連絡先]電話087-889-1121 、jy2529@pref.kagawa.lg.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 カーネーション萎凋病は土壌伝染性の難防除病害であり、対策として蒸気消毒、抵抗性品種の利用等が行われているがその効果は充分ではない。近年、様々な作物のフザリウム病に対して微生物資材を利用した防除が試みられているが、その発病抑制効果は安定しない場合も多い。そこで、非病原性フザリウム菌を利用したより安定的な防除技術を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 非病原性フザリウム菌(NPF−9905株:茨城県分離株、以下NPF菌)の菌液(菌密度:3.7×107個/ml)を、蒸気消毒(蒸気滅菌機を用いたキャンバスホース方式)を行った隔離ベンチ土壌にm2当たり3L土壌灌注後に混和処理することで、カーネーション萎凋病に対し高い発病抑制効果が得られる(図1)。
  2. その処理の発病抑制効果は、罹病性品種’せとのはつしも’を用いた夏秋切り栽培において2年間持続する(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 非病原性フザリウム菌(NPF−9905株:茨城県分離株)は、平成15年12月現在、農薬取締法に基づく登録がされていないので、試験研究以外に使用できない。

[具体的データ]



[その他]
研究課題名臭化メチル代替新防除技術を核とした野菜類の持続的安定生産技術の確立
予算区分国庫(地域基幹)
研究期間1999年度〜2003年度
研究担当者米澤晃子、森 充隆、渡邊 健(茨城県農研センター)

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