[成果情報名]

ブロッコリーのセル成型苗における長期常温貯蔵技術

[要約] 本技術は、育苗後半に肥料を与えず、底面からの水補給のみでセル育苗を継続しつつ、一定の大きさで長期間、維持できる育苗方法である。この育苗方法は、実用面から90日程度は常温貯蔵が可能で、播種作業の分散化や定植遅れによる徒長回避に有効である。
[キーワード] ブロッコリー、常温貯蔵、セル育苗、底面給水
[担当] 徳島農研・栽培育種担当
[連絡先] 電話088-674-1660、電子メールmurai_kouji_1@pref.tokushima.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
近年、徳島県の早期水稲地帯では裏作としてブロッコリー栽培が急激に増加し、産地化が図られている。しかし、従来のブロッコリーのセル育苗期間は30日程度であるため播種時期が限定される。このため定植が8月下旬から9月下旬頃が中心の本県のブロッコリー栽培では、水稲収穫作業とブロッコリー播種作業が競合し、現地での苗供給が難しくなりつつある。また、台風や秋雨の影響で定植遅れによる苗の徒長も問題となっている。そこで、播種作業の分散化や定植遅れによる徒長回避を目的に、苗の大きさを長期間一定で貯蔵できる育苗方法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 慣行のセル育苗は播種後15日目までは灌水のみでその後は肥料不足にならないように液肥を与え、約30日目が定植適期となる。長期貯蔵苗は播種後、全期間を底面からの水補給のみで育苗管理を行う(図1)。 この育苗方法により、86日間育苗を行った苗の苗質は、播種後30日から40日頃より葉色が薄く、茎の太いがっちりした苗となってくる。また、草丈も伸びず下葉脱落により総葉数も増えず、一定の大きさで維持できる。また、貯蔵期間は1年程度可能であるが実用面からは90日以内が適当と考えられる(写真1、データ省略)。
  2. 本育苗法により86日間育苗を行った苗の収穫最盛期は慣行苗に比べ、4日程度遅れる  が総収量、品質は慣行苗と同等である(図2)。
  3. 本育苗法には底面給水が適しており、高設棚の棚上面に1区画、横95cm、縦125cm、深さ2cm程度のプールを作り、タイマー付き電磁弁で1日1回、約2cm程度湛水しセルトレイ底面より給水を行う。排水は排水布を棚上部から約15cm程度を縦方向の両側面全面に垂し、高低差を利用した自然排水を行う(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 播種後の芽出しは、従来の育苗と同様に行い、その後、底面給水を行う。
  2. セルトレイは、128穴、200穴両方を使用できる。
  3. 培地は、ピートモス、バーミキュライト、ヤシガラを主成分とした市販培地を用いる。
  4. 育苗は、雨よけハウスで行い、夏期は高温になりすぎないよう換気を十分に行う。
  5. 種を播く時期はいつでもよいが、定植時期は品種にあった期間内を守る

[具体的データ]











[その他]
研究課題名 栄養体利用などによる画期的野菜育苗技術の開発
予算区分 国庫助成(新技術)
研究期間 2002〜2003年度
研究担当者 村井恒治、井方宏典

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