[成果情報名]

サルナシ「香粋」の糖度による収穫適期判定

[要約] サルナシ「香粋」の収穫適期は、収穫時の糖度で9〜10%の時期である。なお、この時期の果実硬度は3.0kg/cm2程度、満開日からの日平均気温の積算値は約4,000℃である。
[キーワード] サルナシ、香粋、収穫適期、キウイフルーツ
[担当] 香川農試府中分場・栽培担当
[連絡先] 電話0877-48-0731、電子メールwk8597@pref.kagawa.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 サルナシ「香粋」は、一才サルナシにキウイフルーツの雄品種「マツア」を交配して育成した品種である。本品種は、キウイフルーツと異なり樹上で軟化してしまうため、収穫時期の判定が難しく、栽培上問題となっている。そこで、「香粋」の収穫適期の判定方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 収穫時期が遅いほど、収穫時の糖度は高くなるが、果実硬度は10月下旬頃から急激に低下する(図1表1)。
  2. エチレン処理による追熟後の糖度は、収穫時糖度9.8%以上(10月20日以降)で収穫した果実で約20%となり、収穫時糖度7.9%以下(10月10日以前)で収穫した果実の約18%に比べて明らかに高くなる(表1)。
  3. 5℃貯蔵中の糖度は、収穫時糖度9.6%以上(10月24日以降)で収穫した果実では、貯蔵35日以降に約18%となり、収穫時糖度7.9%(10月12日)で収穫した果実の約17%に比べて明らかに高くなる(図2表2)。
  4. 以上のことから、「香粋」の収穫期は、収穫時の糖度で9〜10%の時期が最適である。なお、この時期の果実硬度は3.0kg/cm2 程度、満開日からの日平均気温の積算値は約4,000℃である(表12)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 香川県内で栽培されている「香粋」において、収穫適期の指標となる。
  2. この時期に一斉収穫した果実にエチレン等による追熟処理を行うことにより、計画出荷が可能となる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 県産新果実(キウイフルーツ)の需要の創出に関する試験
予算区分 県単(政策)
研究期間 1999〜2001年度
研究担当者 福田哲生・村尾昭二
発表論文等 1)福田ら(2003)園学雑72(別2)575
2)福田哲生(2003)香川県農業試験場研究報告56:25

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