[成果情報名]

裸麦「マンネンボシ」の早期播種に対応した施肥による安定生産技術

[要約]裸麦「マンネンボシ」を11月10日より早く播種する早期播種では、中間追肥を2回施用することにより、収量低下を抑制し、収量を安定的に確保することができる。
[キーワード]ハダカムギ、マンネンボシ、早期播種、中間追肥
[担当]愛媛農試・栽培開発室
[連絡先]電話番号 089-993-2020、電子メール shimoda-kaori@pref.ehime.jp
[区分]近畿中国四国農業・作物生産(冬作)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 愛媛県下では、裸麦「マンネンボシ」の播種適期は11月10日〜25日とされており、期間が短く作業が集中することから、生産規模を拡大するためには播種時期の拡大が必要である。11月10日より早く播種する早期播種では、標準播種に比べて成熟期が早く、収穫後に水稲を作付けする本県の作付体系から考えて有効な播種法と考えられる。しかし、早期播種では、生育期間が長く、生育期間中に肥料切れとなり、生育不足による収量低下が懸念される。そこで、早期播種において安定的に収量を確保できる施肥方法を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. 早期播種では、標準播種に比べて、基肥施用後の土壌中無機態窒素の低下時期が早く、生育期間を通して黄化程度は高く推移する(図1図2)。
  2. 早期播種では、標準播種に比べて、穂数が少なく、千粒重が小さく、収量は低下しやすい(図3表1)。
  3. 早期播種では、黄化程度が高くなる12月下旬と1月下旬に中間追肥を窒素成分量で各2kg/10a施用することによって、黄化程度は低下し、同播種期の1回施用より穂数が増加し、収量は増加する(図2図3)。
  4. 早期播種で中間追肥を2回施用した場合の品質は、同播種期の1回施用と同等である(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 早期播種では、粒が小粒化し、粒質が硬くなる傾向がある。
  2. 早期播種の期間は11月5日〜10日である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名裸麦有望系統安定生産技術確立試験
予算区分その他受託(ブランド・ニッポン)
研究期間2003〜2005年度
研究担当者下田かおり、日野恭子、山口憲一、住吉俊治、木村 浩

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