[成果情報名]

色情報解析によるてん茶の外観評価方法

[要約]  てん茶の外観評価について、デジタルカメラで撮影したてん茶の外観画像から色情報を取得し、外観の 評価項目である「冴え」と、蒸熱程度の指標である「蒸し度」を数値化して評価できる。
[キーワード] てん茶、色情報、デジタルカメラ、数値化、品質評価
[担当] 京都茶研・製造課
[連絡先] 電話0774-22-5577、電子メールkyoto-chaken@kyoto.pref.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・茶業
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 てん茶の外観における色沢や色合いは「冴え」と表現し、品質評価の中で最重要項目である。また、 「冴え」の良否に影響を与える製造要因に蒸熱程度があげられ、蒸熱程度の指標として「蒸し度」が 用いられる。このような「冴え」や「蒸し度」の評価は、これまで人間の官能検査に頼ってきた。
 そこで、てん茶の外観評価を、人間の官能検査に頼らずに行うため、デジタルカメラで撮影し、得られた 画像から「冴え」と「蒸し度」を数値化するシステムを開発する。
[成果の内容・特徴]
  1. 一定の光源を備えた装置を用いて、デジタルカメラで撮影した画像の対象範囲を選択すれば、 Microsoft Visual Bascic .NETとMicrosoft Excelを用いて自作したプログラムにより、画像の数値化が 自動で行える。
  2. これらの数値を明度でしきい値を設け、さらに色相で分類して得られた色情報から、「冴え」を 数値化することができる(式1)。
  3. この数値化した「冴え」は、官能検査による「冴え」評価と順位付けについて、ほぼ同じ傾向である (図1)。
  4. 同様に、明度でしきい値を設けて得られた色情報から、「蒸し度」を数値化することができる (式2)。
  5. この数値化した「蒸し度」は、官能検査による「蒸し度」評価と絶対値は異なるが、同一生葉を 用いたときの「蒸し度」の相対的な強弱(深い、浅い)関係はほぼ同じ傾向である (図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 数値化したてん茶の「冴え」と「蒸し度」は絶対値ではない。
  2. 15w蛍光灯(USA LS VITA-LITE)を2灯備えた内部が黒色暗室装置で、OLYMPUS C-3000 ZOOM により 122万画素で撮影した画像をもとにしている。他の条件で撮影する場合は、標準白色板等を用いて 補正する必要がある。/li>

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 てん茶における色情報解析システムの開発
予算区分 府単
研究期間 2003〜2005年
研究担当者 堤保三、矢野早希子、村上宏亮

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