[成果情報名]

砂質土壌でのピーマン栽培における溶脱窒素量低減のためのかん水施肥法

[要約] 砂質土壌における施設ピーマン栽培において、点滴かん水チューブによるかん水同時施肥や肥効調節型肥料の利用により、収量を維持しながら施肥窒素量と溶脱窒素量を低減することができる。
[キーワード] 施肥、かん水、点滴、肥効調節型肥料、溶脱窒素、ピーマン、砂質土壌
[担当] 高知農技セ・生産環境課土壌肥料担当
[連絡先] 電話 088-863-4915
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(土壌)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 砂質土壌における施設ピーマン栽培において、施肥窒素由来の硝酸性窒素の溶脱量を低減するため、現状の収量や品質を維持しながら、施肥量の低減と窒素の溶脱を最小限に留めた環境保全型養水分管理技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. 点滴かん水により窒素量を50kg/10aおよび70kg/10aとして全量液肥(基肥なし)で施用した場合、栽培初期の窒素溶脱量が少なく、総溶脱量はそれぞれ慣行の4%および20%に減少する。また、収量は慣行と同等である(図1表12)。
  2. 基肥として肥効調節型肥料と油粕を、追肥として液肥を施用し、pFセンサーを用いたかん水制御により1日当たりのかん水量を慣行の66%とすると、溶脱窒素量は慣行の34%に減少し収量は同等である(図1表1)。
  3. みかけの窒素利用率は、点滴かん水区および肥効調節区とも慣行区より向上する(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 長さ5m、幅0.85m、深さ0.2~0.3mの隔離床に、高知県内で採取した砂質土壌を充填して実施した結果である。
  2. 肥効調節区のpF値によるかん水制御は、pFセンサー付きかん水制御装置を用いて行った。
  3. エスロンパイプ等による慣行のかん水方法により少水管理を行う場合、かん水むらを避けるため、必要に応じて手がけによるかん水を行う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 環境負荷低減を目指した砂地ハウス栽培の養水分管理技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2003~2005年度
研究担当者 糸川修司、行弘 恵、大崎佳徳

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