[成果情報名]

丹波黒大豆用刈取機

[要約] クローラタイプの乗用・歩行兼用型の丹波黒大豆用の刈取機である。作業能率は0.5〜1時間/10a程度と高能率で、1条植・畝幅120〜160cm、高さ25cm程度の高畝に適応でき、落莢損失は低い。
[キーワード] 丹波黒大豆、収穫、刈取機
[担当] 兵庫農総セ・農技セ・作物経営機械部
[連絡先] 電話 0790-47-2440
[区分] 近畿中国四国農業・農業環境工学
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 丹波黒大豆の刈取り作業は、太枝切りはさみや刈払機で行う方法が現在の主流で、幅広平高畝状態で行う作業は作業姿勢が不安定なうえ、畝に接した下位分枝や莢を傷つけないよう精度も要求される。この刈取り作業を軽作業化・能率向上できるよう、既存の「枝豆収穫機」を丹波黒大豆の栽培様式にマッチするよう開発改良する。
[成果の内容・特徴]
  1. 本機は市販のK社「えだまめ収穫機KME-1」を丹波黒大豆の標準的な栽培様式である畝幅120〜160cm、高さ25cm程度の高畝と、かさ高な株に対応できるよう各部を開発改良している。1畝1条の枝豆用丹波黒大豆、種実用丹波黒大豆の刈取りができる()。
  2. クローラ台車、刈取り機構は原型機のままで、搬送ラグチェーン形状・速度、車速、集束台等を改良している(表1)。改良の結果、落莢損失は低くなり、下位分枝の枝折れは発生するものの刈り残しはない(表2)。
  3. 本機の作業能率は、集束台に貯留せず畝上に刈り落とす場合には一人作業、速度0.46m/sで10a当たり0.5時間である(表3)。また、補助者がついて集束台から8〜10株を畝上に移し替えるとき、0.3〜0.2m/sが適当で10a当たり1時間程度である。慣行作業方式に比べて3〜10倍の能率向上が図れる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 平成20年度に実用的試験を行い、ユーザー評価を得て市販化を検討する。
  2. 慣行作業方式の場合、刈払機で約1.7〜2時間/10a、太枝切りはさみで4時間/10aほどかかっている。組織利用、大規模経営での導入に適する。
  3. 進行方向に対して横方向に極端に倒伏している場合の作業性能は未確認である。

[具体的データ]




[その他]
研究課題名 丹波黒大豆用収穫機の開発改良
予算区分 県単(特定政策研究)
研究期間 2007年度
研究担当者 松本 功、鍋谷敏明、伊藤 宰((株)クボタ)、細田通良(マメトラ農機(株))、菅原和之((株)マメトラ象潟工場)、山内祐人(三木普及センター)、樋本英司(篠山普及センター)、九村俊幸(龍野普及センター)、廣瀬敏晴

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