[成果情報名] | 奈良県における大豆品種「あやみどり」の準奨励品種採用 |
[要約] | 大豆品種「あやみどり」は「在来青大豆」に比べて、成熟期が早く倒伏しにくく、コンバイン収穫に適応し、品質が優れ鮮やかな緑色の豆腐に加工できることから、準奨励品種に採用する。 |
[キーワード] | 大豆、あやみどり、準奨励品種、豆腐加工 |
[担当] | 奈良農総セ・作物栽培チーム |
[連絡先] | 電話 0744-22-6201 |
[区分] | 近近畿中国四国農業・作物生産 |
[分類] | 技術・普及 |
奈良県では、各地で在来の青大豆が作付けされており、きな粉の原料として利用される他、特色ある緑色豆腐の原料としての需要がある。しかし、在来の青大豆は、晩生で草丈が高く倒伏しやすいためコンバイン収穫に適さず、大規模な生産は行われていない。
そこで、コンバイン収穫に適応し、豆腐加工適性のある青大豆を導入して産地形成を図る。
1.開花期は、「在来青大豆」より10日早く、「サチユタカ」とほぼ同じで、成熟期は、「在来青大豆」より8日早く、「サチユタカ」より3日遅い。(表1)。
2.主茎長は、倒伏が著しい「在来青大豆」より短く、「サチユタカ」より長いが倒伏の発生はない。主茎節数、分枝数は「在来青大豆」より少なく、「サチユタカ」とほぼ同じで、茎の太さは、「在来青大豆」「サチユタカ」より細い。最下着莢高は、「在来青大豆」より低く、「サチユタカ」より高い。(表1)。
3.収量は「在来青大豆」「サチユタカ」より少ない。百粒重は「在来青大豆」より小さく、「サチユタカ」よりやや大きい。(表1)。
4.外観品質は、裂皮の多い「在来青大豆」より優れ、種皮色に色ムラが少し見られ「サチユタカ」よりやや劣る。(表1)。
5.現地では、開花期は「サチユタカ」とほぼ同時期で、成熟期は「サチユタカ」より遅い。収量は「サチユタカ」より少なく、百粒重は大きい。また、狭条密植栽培により増収する(表2)。
6.粗蛋白質含量は「在来青大豆」よりやや高く、「サチユタカ」よりやや低い。(表3)。豆腐加工時において、「サチユタカ」に比べてやや固まりにくいが、豆腐加工適性に問題はなく、鮮やかな緑色の豆腐に仕上がる。緑色の退色したものが混ざった大豆を使用した場合、できあがった豆腐の緑色が薄くなる(表4)。
1.普及対象地域は、県内全域の肥沃地である。
2.収穫が遅れると日光により子実表面の緑色が退色するため、適期収穫に努める。
3.収穫後も日光により退色が進むため、暗所に保管する等保管に注意する。
4.「サチユタカ」に比べ青立ちが発生しやすい傾向があるため、開花期以降に乾燥条件が続く場合に潅水したり、カメムシ類の防除を徹底するなど着莢数の確保に努める。
[具体的データ]
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[その他] | ||
研究課題名 | : 大豆奨励品種決定調査 | |
予算区分 | : 県単 | |
研究期間 | : 2005〜2007年度 | |
研究担当者 | : 土井正彦、西尾和明 |