[成果情報名]

キャベツ葉片浸漬法によるタバココナジラミ成虫及び卵の殺虫剤感受性検定

[要約]

タバココナジラミの成虫及び卵の各種殺虫剤に対する感受性は、新しく開発したキャベツ葉片浸漬法により同時に検定できる。成虫ではピリミホスメチル乳剤、チオシクラム水和剤及びピリダベン水和剤、卵ではピリダベン水和剤に対する感受性がそれぞれ高い。

[キーワード]

タバココナジラミ、キャベツ葉片浸漬法、殺虫剤感受性、成虫、卵

[担当]

京都農総研・環境部、京都防除所

[連絡先]

電話 0771-22-6494

[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]

タバココナジラミは、多種類の野菜・花き類を加害する世界的な重要害虫である。本種には、複数のバイオタイプが存在し、その中でバイオタイプQでは、ネオニコチノイド系殺虫剤に対する抵抗性の発達がスペインで報告されている。またバイオタイプQは、これまでコナジラミ類による被害が問題にならなかったトウガラシ類で多発している。バイオタイプQ日本個体群の殺虫剤感受性については不明であり、発育段階毎に調べる必要がある。また、トウガラシ類ではコナジラミ類に対して登録のある殺虫剤は少なく、一度に多くの殺虫剤感受性を調べることができる検定法が必要である。そこで、キャベツ葉片浸漬法を開発し、タバココナジラミの成虫及び卵の殺虫剤感受性を同時に検定する。

[成果の内容・特徴]

1.キャベツ葉片浸漬法によるタバココナジラミの殺虫剤感受性検定は、25℃長日条件(15L9D)下に設定した恒温器内で、以下の手順で行う。

  1) あらかじめ育苗ポットで育てたキャベツ(図1、品種:おきな)の葉(直径10cm程度)を長方形(1.5cm×3.0cm)に切り取り、所定濃度の薬液(展着剤:新グラミン3,000倍液を加用)に約10秒間浸漬する。処理したキャベツ葉は、風乾後、試験管(2cm×25cm)に入れる。試験管内には、羽化1〜3日後の雌成虫を5匹ずつ放飼する(図2)。

  2) 放飼48時間後の生存虫を数え、死虫率を求める。補正死虫率は、水処理の値を対照としてAbbott (1925)の方法により求める。また同時に、葉面上の卵を実体顕微鏡下で数える。

  3) 2)で卵が認められた場合は、湿らせた濾紙片(1cm×2cm)と葉片を新しい同型の試験管内に入れ引き続き飼育する。10日後に、孵化幼虫を実体顕微鏡下で数える。補正殺卵率は、水処理の値を対照としてAbbott (1925)の方法により求める。

2.キャベツ葉片浸漬法によってタバココナジラミ(バイオタイプQ)成虫の処理48時間後の補正死虫率が90%以上を示した殺虫剤は、ピリミホスメチル乳剤(100%)、チオシクラム水和剤(92.6%)及びピリダベン水和剤(100%)である(表1)。

3.タバココナジラミ(バイオタイプQ)の卵の補正殺卵率が90%以上となった殺虫剤は、ピリダベン水和剤(95.6%)である(表1)。

[成果の活用面・留意点]

1.放飼48時間後の産卵数を比較することで、雌成虫の産卵活動に及ぼす殺虫剤の影響も調べることができる。

2.本検定法は、タバココナジラミの卵期間と葉片の保存状態を考慮し、25℃長日条件(15L9D)下でキャベツを用いて実施する。

3.本検定法は、タバココナジラミのバイオタイプQ及びBに有効である。

4.タバココナジラミの殺虫剤感受性はバイオタイプや個体群により異なるので、殺虫剤の選定には注意する。

[具体的データ]

 

 

[その他]
研究課題名 : トマト黄化葉巻病及び媒介虫タバココナジラミ類の生態解明と防除技術の開発
予算区分 : 国補(農薬環境リスク低減)
研究期間 : 2007〜2008年度  
研究担当者 : コ丸 晋、林田吉王

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