[成果情報名] | 緩効性肥料と生分解性マルチと一工程収穫機を用いたサトイモ省力栽培
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[要約] | 緩効性肥料による全量基肥施肥と生分解性マルチを利用した無中耕無培土栽培と、収穫、拾上げ、親イモ分離を一工程でできる一工程収穫機を用いることで、サトイモの慣行栽培と比べ、作業時間が約24%短縮できる。 |
[キーワード] | サトイモ、緩効性肥料、生分解性マルチ、一工程収穫機、省力 |
[担当] | 愛媛農研・企画調整室、環境保全室 |
[連絡先] | 電話 089-993-2020 |
[区分] | 近畿中国四国農業・生産環境(土壌) |
[分類] | 技術・参考 |
サトイモの慣行栽培では、定植から初回追肥までは黒ポリマルチで畝を被覆し、その後、茎葉が繁茂するまでに数回追肥と土寄せを行う。緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培では土寄せを省略でき、生分解性マルチを用いるとマルチはぎ作業も省略できる。さらに、収穫、拾上げ、親イモ分離を一工程でできる一工程収穫機を用いることで、収穫にかかる作業時間も大幅に減少できるので、これら省力作業技術を組み合わせたサトイモ栽培の省力化を検証する。
1.慣行体系の作業内容は、堆肥散布、基肥施用、耕起、畝立て、マルチ張り、定植、除草、マルチはぎ、追肥、中耕、防除、かん水、収穫である。省力体系の作業内容では、マルチはぎ、追肥、中耕の作業が省略できる。(表1)。
2.総作業時間は、省力体系では基肥施用が全量基肥施肥であるため作業時間は長くなるが、除草作業時間の減少と、追肥等にかかる作業の省略、及び一工程収穫機利用による収穫作業時間の減少により、慣行体系の76%となる(表1)。
3.可販収量は、省力体系で4.0t/10a、慣行体系で3.4t/10aであり、同等以上である。秀品率は、それぞれ32%、26%であり、ほぼ同等である(表2)。
1.3月定植で10月から12月にかけて収穫する普通作型に適応できる。また、適応土壌は、花こう岩を母材とする粗粒質の水田転換畑である。
2.緩効性肥料は、溶出期間が100から120日のタイプを使用する。
3.生分解性マルチは、分解が始まる時期が展張後60から90日のタイプを使用する。
4.一工程収穫機は、試作機である。
5.緩効性肥料を使用しても肥料費に大きな違いは無いが、生分解性マルチの利用でマルチ代は10aあたり約1万円多くなる。しかし、慣行栽培に比べ可販収量が多いため、販売額から資材費を引いた額は省力栽培で逆に多くなる。
[具体的データ]
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[その他] | ||
研究課題名 | :
サトイモの無中耕無培土栽培確立試験
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予算区分 | : 委託 | |
研究期間 | :
2007〜2008年度
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研究担当者 | : 大森誉紀、河野 靖、池内浩樹 |