[成果情報名]

レタス用トンネル簡易換気装置と利用法

[要約] 本装置はビニルを紐留め固定したトンネルで利用できる簡易な自動換気装置である。設置・撤去所要時間は 5.3h/10aで慣行手換気作業による場合の5回分の時間にすぎず、換気作業の省力化とレタスの品質確保に有効で ある。
[キーワード] トンネル栽培、換気、省力、自動、レタス、品質
[担当] 香川農試 企画・営農部門
[連絡先] 電話087-889-1121
[区分] 中国四国農業・農業環境工学
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 冬どりのレタス栽培では保温のためにトンネル掛けを要するが、レタスの品質確保には換気による トンネル内の温湿度管理が必要である。現状のところ、この換気作業は手作業で行われており、作型にも よるが1〜2か月間の長期管理を要することから生産者の負担は大きく、換気作業が不十分であることが 品質確保や2月〜3月期における定量出荷の支障となっている。このため、ビニルを紐留め固定したトンネルにも 利用できる簡易換気装置を開発する。
[成果の内容・特徴]
  1. 本装置は、鉄パイプ、滑車、錘付き滑り子、錘、パッカ、引き紐、巻取り機、制御・電源部からなり、 畝長50m当たり5箇所の換気を行う場合、10a当たりの必要部品点数 は468点、質量168.5kgで、 ビニルを紐止めしたトンネルに適応できる(図1)。
  2. トンネルの自動開閉は、トンネル内の温度が上限設定温度になると巻取り機が正回転し、下限設定温度に なると逆回転して引き紐を操作する仕組みとなっている(図1)。
  3. 設置、撤去の所用時間は各々3.1h/10a、2.2h/10aであるが、手換気作業における1回の開閉時間は 1.1h/10aであり、手換気作業5回分である(表1)。
  4. 引き紐操作時の滑車転がり抵抗は滑車の径が大きいほど小さく、畝長50m当たり4箇所、開口高35cm、 径40mm滑車を利用する場合、巻取り所用力は30N程度である(図1)。
  5. 巻取り機(60W)1基当たり3畝程度の自動開閉ができ、温度センサはバイメタル式であるため、制御用の 待機電源は不要である(図1)。
  6. 装置の利用方法とレタスの品質の関係を調査した事例では、トンネルの開口率を4%程度とすれば レタスの生育を確保しつつ、病害(灰色かび病)の発生を低減でき、高温管理で生じやすい中筋、変形球の 発生回避に有効であった(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 適応できるトンネルは被覆資材として弾力性のある塩化ビニル製が良く、トンネル支柱は強度のある 鋼管製のものが望ましい。また、引き紐には本事例で使用したブラインド紐3mmなど、強度があって屋外での 耐久性に優れた材質が望ましい。
  2. 滑車を吊すパイプ支柱の縦・横長はいずれも90cm程度で、畝肩への打込みは収穫台車等の通過に支障と ならない高さとし、換気時の引き紐巻取り所用力が低減するようトンネル側に傾けて設置する。
  3. 換気箇所は50m当たり5箇所を限度とする。また、巻取り機から最も離れた換気箇所にはトンネル閉じ作用 補助のため500g程度の補助錘を付ける必要がある。
  4. 引き紐の操作は、巻取り機を使用せずほ場枕地での手動でも可能である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 レタスの高品質化に向けた省力高精度作業体系の開発
予算区分 県単
研究期間 2005〜2009年度
研究担当者 山浦浩二、西村融典、白井英治

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