[成果情報名]

半生うどんの肥育豚への給与

[要約] 塩分が高い半生うどんを市販配合飼料に50%添加、および配合飼料中のトウモロコシと20%代替した飼料を 肥育後期の肥育豚に給与しても、発育性は市販配合飼料と遜色なく、飼料費も低減できる。
[キーワード] うどん、塩分、肥育豚
[担当] 香川畜試・養豚担当
[連絡先] 電話087-898-1511
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 地元の食材であるうどんは、デンプン質に富み、原料が明確であり、成分も比較的安定していること から、うどんを活用することで、エコフィードの推進を図っている。しかし、茹でる前の状態である半生 うどんは塩分が約5%と高いため、給与による影響を確認する必要がある。そこで、半生うどんを肥育豚に給与し、発育等への影響を調査する。
[成果の内容・特徴]
  1. 半生うどんは飼料に混合しやすいように製粉・粉砕機にて約5mmに砕く。試験区は、市販配合飼料に添加、 および飼料原料の代替、対照区は、市販配合飼料とし、肥育後期(体重約60kg〜約110kg)に不断給与、 自由飲水により発育性等の影響を調査する。
  2. 半生うどんの水分含量は約18%であり、ナトリウム(Na)が1.85%と高く、食塩相当量は4.71%である (表1)。
  3. 市販配合飼料(粗蛋白質:CP15.0%)に半生うどんを50%添加するとCPは11.8%と低下するが、と殺日齢、 1日平均増体量、飼料要求率には有意な差は認められない。塩分摂取量は、うどん区が81.3gと対照区の 約7倍多い(表2)が、食塩中毒の症状はみられない。
  4. 市販配合飼料中のトウモロコシを半生うどんで20%代替しても、と殺日齢、1日平均増体量に有意な差は 認められない。飼料要求率はうどん区がやや優れる傾向である。塩分摂取量は、うどん区が36.7gと 対照区の約3.7倍多いが、食塩中毒の症状はみられず、血液検査でのBUN・クレアチニン(CRE)も 問題はみられない(表3)。
  5. 半生うどん20%代替の飼料コストは、半生うどん経費0円として、飼料費で1頭当たり1,349円(15.0%) 低減でき、20円/kgの場合でも615円(6.8%)低減できる(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 生うどん、半生うどん、乾燥うどんなどの茹でる前のうどんは、塩分が高いため、食塩中毒に留意し、 飲水は十分に自由にできるようにする。
  2. 半生うどんは少しやわらかいので、天日乾燥等で水分含量15%程度にすると、硬くなり練ることなく 砕きやすくなる。
  3. うどんのような単一のエコフィードは、原料が明確で成分も比較的安定していることから、飼料原料として 利用しやすい。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 未利用うどんの飼料化技術の開発
予算区分 単県
研究期間 2008〜2010年度
研究担当者 上原力、田淵賢治

目次へ戻る