食品加工利用における桑葉・桑果実(椹)の成分

[要約]
 
桑葉・桑果実の食品への加工利用を検討するため、成分分析を行った結果、水溶性ビタミンが豊富であることが確認され、健康食品としての価値があることが示唆された。
徳島県蚕業技術センター・栽桑科
[連絡先]0883-24-2217
[部会名]蚕糸
[専門]食品品質
[対象]工芸作物
[分類]研究

[背景・ねらい]

桑は、慣例的に健康に良いとされている。根は生薬として医薬品登録されており、葉も様々な研究機関においてその健康への影響が報告されている。
そこで根・茎・葉(収穫一、改魯、みなみさかり混合物)については、健康食品の中でも最も一般的なお茶としての加工利用を検討するため、煎剤試験の方法をもとに試料を作成し成分分析を行った。
また桑果実(フィクスマルベリー、カタネオ混合物)については、その奇少性、独特の色あい等に着目し、食品への加工利用を検討するため、果汁成分の成分分析を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 根・茎・葉及び桑果実とも、水溶性ビタミンの中でB6が他の成分と比較して非常に多い。
  2. 根・茎・葉については、熱水抽出を行ったにも関わらず、水溶性ビタミンが比較的多く検出されていることから、非常に多くの水溶性ビタミンが含まれていると考えられる。
  3. 根・茎・葉は、熱水抽出のためか脂溶性ビタミンは検出されなかった。

   (表1〜3) 桑の根・茎・葉部および桑果実の成分  (表4) 桑葉とせん茶の成分  (表5)桑の実果汁と果実の成分

[成果の活用面・留意点]
  1. この成分分析では、根・茎・葉については、煎剤試験と同様の試料調製を行ったため、水溶性ビタミンが大きく破壊されたと推定される。また、熱水による抽出のため脂溶性ビタミンも検出されず、Ca・繊維も水に難溶性のために含有量が減少したと推定される。
  2. このため、桑葉を利用する場合には、抽出方法を新たに考案するとともに、桑葉及び粉末を抽出せずに利用する方法についても検討する必要がある。
  3. また桑果実は、ぶどうと変わらぬ糖度を持っているが、ぶどうほどの甘味を感じないのでその糖成分の分析をする必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:機能性産品の作出技術
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成6〜8)
研究担当者:高田次郎、谷 桂爾、齋藤裕行
発表論文等:なし
 
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