キャベツのアブラムシ類およびコナガの紫外線反射資材による防除

[要約]

紫外線反射資材マルチ被覆すること、シルバーテープを数10pに切って畝上に垂下させることおよびその組み合わせでキャベツのアブラムシ類ならびにコナガの生息密度を抑制することかできる。
    香川県農業試験場 病害虫担当
        [連絡先]0878-89-1121
        [部会名]生産環境(病害虫)
        [専門]作物虫害
        [対象]葉菜類
        [分類]普及

[背景・ねらい]

環境保全型農業の推進にあたって化学合成農薬の使用量を抑えた栽培体系の確立が求められているが、キャベツ栽培では主要害虫であるコナガやアブラムシ類が様々な化学合成農薬に対して抵抗性を現し、減農薬栽培を行う上での大きな障壁となっている。
そこで紫外線反射資材の効率的な利用を図り、コナガおよびアブラムシ類に対する防除法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 市販のシルバーテープ(巾2p)を数10p片に切断して、定植後に畝上に張ったひもに数10p間隔で垂下させることにより(使用法A)、シルバーテープを畝上に水平に伸展する従来法(使用法B)に比べ、よりアブラムシ類の密度を抑制することかできる(図1)。
  2. 紫外線反射資材をマルチとして使用することにより、コナガの産卵数および個体数を減少させることかできる(表1図2)。
  3. 紫外線反射資材のマルチとシルバーテープを組み合わせることにより、コナガに対してさらに高い防除効果が得られる(図3)。                                                                                

[成果の活用面・留意点]

  1. 春まき夏どり栽培など高温期に栽培か行われる作型では、マルチには熱やけの少ない紫外線反射資材を用いる。
  2. シルバーテープは、結球期以降にキャベツに埋まらない程度の高さに設置する。

 [その他]
 
研究課題名:生態系を活用した有機無農薬栽培技術の確立
予算区分   :県単
研究期間   :平成7年度(平成6〜12年)
研究担当者:十河和博・鐘江保忠・渡邊丈夫
発表論文等:なし
 
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