レタス斑点病の防除に有効な薬剤

[要約]
 
レタス斑点病の発病初期ではベノミル水和剤(2,000倍)、次いでチオファネートメチル水和剤(1,500倍)の防除効果が高い。また、両剤は発病進展時の防除効果も認められ、上位薬への病斑形成が抑制される。
愛媛県農業試験場・生産環境室
[連絡先]089-993-2020
[部会名]生産環境(病書虫)
[専門]作物病害
[対象]葉菜類
[分類]研究

[背景・ねらい]

愛媛県においてレタス斑点病が1995年11月に突発的に発生し、収穫を放棄された圃場がみられた。本病は1927年に国内で初めて確認された病書であるが恒常的な発生をしないことから登録薬剤がなく防除対策も確立されていない。そこで、圃場における実用的な防除薬剤を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 本病の被害は上位葉に形成された病斑による商品価値の低下とともに、球高、球径が小さくなり、小球化することで球重(収穫球)の減少がみられる(表1)。
  2. 寒天希釈法では20剤の検定薬剤の中で4剤に抗菌活性が課められる。圃場試験においては発病初期のベノミル水和剤(2,000倍)、チオファネートメチル水和剤(1,500倍)の防除効果が高い(表2)。
  3. 発病進展時においてベノミル水和剤(2,000倍)、チオファネートメチル水和剤(1,500倍)、スルフェン酸系水和剤(600倍)の散布は有効であり、上位葉への病斑形成が抑制される(表3)。                                                          

[成果の活用面・留意点]

  1. ベノミル水和剤、チオファネートメチル水和剤はレタス菌核病および灰色かび病の透用登録はあるが斑点病に対する適用登録はない。このため、適用拡大を待って普及する。

 [その他]
 
研究課題名:レタス斑点病の特性と防除に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成9年度(平成7〜9年)
研究担当者:奈尾雅浩、篠崎毅
発表論文等:平成8年度日本植物病理学会関西部会(講演発表)1996.10
 
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