ビワ及びイチジクを利用した加工品の開発

[要約]
 
ビワは蒸煮後、糖・ビタミンCを添加し、イチジクは剥皮後ピューレーとして、それぞれ冷凍貯蔵することで通年利用できる食品素材となる。これらを用いて、特徴ある風味や色調を生かしたジャム、ゼリー等の加工品の製造ができる。
愛媛県工業技術センター・品加工室
[連絡先]089-976-7612
[部会名]食品
[専門]加工利用
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

ビワとイチジクは、本県の重要な地域特産果実であるが、いずれも収穫時期が短く、貯蔵性が悪いために、生食用としての流通がほとんどで、加工用としてはあまり利用されていない。そこで、これらの果実の加工原科としての貯蔵方法、成分特性を明らかにし、食品素材化を行い、規格外果実の有効利用と特徴ある加工品の開発を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. ビワは、10℃以下で1カ月間、イチジクは0℃で10日間程度、加工原科としての貯蔵が可能である。
  2. ビワの成分特性では、果皮、果肉でカロテン含量が他の果実よりも高く、それぞれ1,200μg/100g、680μg/100gであった(表1)。
  3. ビワの調理時の褐変は、10〜15分間蒸煮することで防止できる。蒸煮・調理した果肉に砂糖を40%、ビタミンCを0.2%添加して冷凍貯蔵することで、食品素材として通年利用ができる(表2)。
  4. イチジクは、剥皮後ピューレーとして冷凍貯蔵することで、果肉の色調を生かした食品素材として通年利用がでる。イチジクの果肉の色素は、アントシアン色素でピューレーの色調は添加する有機酸の種類にかかわらずpHに依存して変化し、pHが低くなるほど赤色が強くなる(図1)。また、加熱により退色し、色素渡度も低下する。
  5. 生群ビワを用いて糖果を、ビワおよびイチジクのピューレーを用いてようかん、低糖度ジャム、ゼリー、シャーベット等果実の風味を有した加工品の製造ができる。                                                                     

[成果の活用面・留意点]

  1. 果実の貯蔵性、成分特性が明らかになり、数種の加工品の試作を行ったので、各産地の生活改善グループでの実用化が期待できる。
  2. ビワ・イチジクの食品素材を通年利用するためには、冷凍設備が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:ビワおよびイチジクの加工技術開発研究
予算区分:県単
研究期間:平成8年度
研究担当者:大野一仁、松本恭郎、松田 宏、児玉雅信
発表論文等:平成8年度愛媛県農林水産加工利用開発会議技術開発研究成果報告書
 
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