カーネーションのエチレン感受性は開花後に低下する

要約

カーネーションのエチレン感受性は、開花後の花の齢の増加に従って低下する。花持ち性の優れる品種においては、花の加齢に伴い、エチレン感受性が急激に低下してエチレンに対する花弁の萎凋反応が認められなくなり、自己触媒的エチレン生成能力も失われる。

  • キーワード:カーネーション、エチレン感受性、間欠画像撮影、萎凋
  • 担当:花き研・生理遺伝部・遺伝育種研究室
  • 連絡先:電話029-838-6814、電子メールwww-flower@naro.affrc.go.jp
  • 区分:花き
  • 分類:科学・普及

背景・ねらい

エチレン感受性はカーネーションの花持ち性を決定する重要な要素の一つである。カーネーションでは、蕾のステージから開花までの花の齢が増加するにつれてエチレン感受性が高まることが報告されているが、開花以降の成熟した花での感受性の変化については明らかでない。そこで、花き研究所で開発した間欠画像撮影によるエチレン感受性検定法を用いて、花の齢の増加に伴うエチレン感受性の変化を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • カーネーションのエチレン感受性は収穫直後が最も高く、その後、花の齢の増加に従って低下する(図1)。例えば、「ホワイトシム」では、収穫日の反応時間が6.9時間なのに対し、3日目には10.2時間に延長する(データ略)。
  • 開花した後、切らずにそのままの状態で植物体上に3、6日間保持した花においても、同様に花の齢の増加による感受性の低下がみられる(図2)。したがって、開花後の感受性の低下は収穫の切断刺激が原因ではなく、花の齢の増加が原因である。
  • 花持ちの優れる品種でも、花の加齢に伴いエチレン感受性が急激に低下する(図3)。「つくば1号」では12日目以降、「つくば2号」では18日目にはエチレン処理に対する花弁の萎凋反応が全く認められなくなる。また、自己触媒的エチレン生成に関しても、初期には生成能力があるが、花の加齢に従い認められなくなる(図4)。
  • 一般に、開花から老化までの花の齢が増加するにつれてエチレン感受性が高まることが、ペチュニア、ペラルゴニウム、トルコギキョウ、ハナスベリヒユ、トレニアなどの多くの花きで報告されているが、カーネーションにおいては花の齢の増加に従って感受性が低下する。

成果の活用面・留意点

  • カーネーションの老化機構解明のための基礎的知見となる。

具体的データ

図1 エチレン処理時の花の齢が「ホワイトシム」(A)と「ノラ」(B)のエチレン感受性に及ぼす影響

図2 開花後そのままの状態で植物体上に3, 6日間保持した花 におけるエチレン感受性の変化 図4 エチレン処理終了8時間後の花弁及び雌ずいからのエ チレン生成量
図3 花持ちの優れる選抜系統における花の齢の増加に伴う収穫 日以降のエチレン感受性の変化

その他

  • 研究課題名:エチレン感受性簡易検定法等を利用した花持ち性に優れたカーネーションの作出
  • 課題ID:10-01-02-01-12-04
  • 予算区分:組換え植物
  • 研究期間:2001~2004年度
  • 研究担当者:小野崎 隆、柴田道夫、谷川奈津、八木雅史
  • 発表論文等:1) Onozaki et al. (2004) Scientia Horticulturae, 99: 187-197