園芸施設における環境計測データの共有活用を可能とするWebサービスシステム

要約

ユーザー登録すれば無料で試用できる環境計測データの集録・解析用Webサービスシステム。生産者や研究者等がデータを共有し栽培技術の向上に活用することが可能で、Web上にデータベース機能と評価・診断サービスの場を提供。

  • キーワード:施設園芸、データベース、オンラインアプリケーションサービス
  • 担当:農工研・農村総合研究部・農業施設工学研究チーム
  • 連絡先:電話029-838-7655
  • 区分:農村工学
  • 分類:技術及び研究 普及

背景・ねらい

施設園芸では、環境に関する計測データを蓄積して、それを生産に活用しようとする気運が高まっている。そこで、園芸施設において 計測されるデータをネットワークに蓄積でき、生産者や試験研究機関等のグループが集録されたデータを共有して栽培技術の向上に活用し合える場として、イン ターネット上にサービスシステムを構築する。単純で利用者が自らのアイデアを手軽に盛り込めるようなデータ共有・解析ツールを目指す。

成果の内容・特徴

  • 登録ユーザーはデータ入力フォームのレイアウトをWebインタフェースで自由に作成・変更し、データの入力や管理・整理ができる。データを共有できるグループを設定し、共有データを活用し合うことができる(http://nextgrow.dc.affrc.go.jp/labo/)(図1)。
    利用例としては、イチゴの養液栽培グループ内にて、養液のEC変化など必要なデータの入力フォームを作成し、各メンバーがそのフォームに入力することによ り、各メンバー間でデータの共有が可能になる。その結果、グループ全体で、より多くのデータを用いて養液の管理法を検討することができる。
  • 一般的で単純なデータベース(次頁の※を参照)のため、入力されたデータを評価,診断するWebサービスとして表示することも容易である。
    利用例としては、グループで、温室内外の温湿度と純放射データを登録できる入力フォームを作成する。メンバーがデータを登録すると自動的に、その温室の換 気量と蒸散量を推定するサービスの提供が可能である。それは他の登録温室の値とあわせて図にプロットされるので、他の温室との比較・検討ができ、必要に応 じて専門家の支援を受けることが可能となる(図2)。

成果の活用面・留意点

  • ユーザー登録すれば、無料で試用できる。ただし、入力できるデータは施設園芸における環境計測データに限る。
  • デフォルトのユーザータイプは、入力フォームの作成およびグループのデータ管理ができるグループ管理者であるが、自身のデータのみ管理できるプロジェクトメンバーも選択でき、すでに共用利用され始めている。
  • 生産者にとっては、環境計測データをグループ内で共有することで、生産者相互の環境を比較でき、グループ全体として情報交換ができる。ただし、情報の公開・非公開についてはグループで判断できる。
  • 試験研究機関等にとっては、環境の評価、診断法を開発するにあたっての生産者のニーズの把握や実際のデータによる検証に利用できる。

具体的データ

図1 園芸施設における環境計測データのWebサービスシステムの概要

図2 データベースに連動する評価・診断 アプリケションの例

(http://nextgrow.dc.affrc.go.jp/test/graphtest/cooling2.htm)
Webサービスシステムとしての特徴は以下のとおりである。
・Web上でなじみのある一般的なデータ蓄積サービスに準拠し、単純化しているので、データを共有するグループメンバーにとって入力や出力が容易である。
・データはcsvファイルからの入力や修正もできる。また、Webページまたはcsvファイルでデータの取り出しができる。
・具体的には、Apache,HTML,PHP ,PostgreSQLといったよく利用されているWeb技術で構成されている。

その他

  • 研究課題名:農業施設の耐風構造と複合環境制御技術の開発
  • 実施課題名:花芽分化・発達による光質と小型生産施設による空気制御の環境の解明
  • 課題ID:213-h-00-003-00-I-07-2301
  • 予算区分:交付金研究
  • 研究期間:2006~2008年度
  • 研究担当者:奥島里美、佐瀬勘紀、石井雅久、森山英樹
  • 発表論文等:Okushima L. et al. (2007)Web service system for cultivation test data in protected horticulture. 農業施設、37(4):37-44