短節間性を有する「とまと中間母本農11号」

要約

「とまと中間母本農11号」は非心止まり性で短節間性を有する。果実は大きく、完熟果色は桃色であり、短節間性を有するトマト品種の育成に利用できる。

  • キーワード:トマト、短節間性、非心止まり性、育種素材
  • 担当:野菜茶研・果菜研究部・ナス科育種研究室
  • 連絡先:電話059-268-4653、電子メールashin@affrc.go.jp
  • 区分:野菜茶業・野菜育種
  • 分類:科学・普及

背景・ねらい

トマト栽培では整枝・誘引作業に多大な労力を要する。短節間性を有するトマトは普通節間のトマトと比較して、長期栽培ではつる下ろ し作業等が軽減され、短期栽培では一定の草丈における収穫可能な果房数が増加する。そこで、短節間性を有する大玉トマトの中間母本を育成する。

成果の内容・特徴

  • 「とまと中間母本農11号」は、短節間性を有し完熟果色が赤色で心止まり性の「盛岡7号」と市販品種「桃太郎8」とのF1の自殖後代に「桃太郎8」を戻し交雑し、その自殖後代から選抜された非心止まり性の系統である(図1)。
  • 「とまと中間母本農11号」は節間長が「桃太郎8」よりも短く、安定して短節間性を示す(表1)。そのため、高さ約180cmで摘心して栽培すると収穫可能な果房段数が約2段多い(表1)。
  • 「とまと中間母本農11号」と普通節間の「とまと中間母本農9号」を用いて第6果房位置(子葉着生部から第6果房着生部までの長さ)を指標とした遺伝解析の結果、短節間性は不完全優性に遺伝すると推定される(表1)。
  • 「とまと中間母本農11号」の果実は大きく、完熟果色は桃色である(表2、図2)。

成果の活用面・留意点

  • 「とまと中間母本農11号」は短節間性を有するトマト品種の育成に利用できる。
  • 「とまと中間母本農11号」は萎凋病に対して抵抗性を示すが、半身萎凋病、青枯病およびモザイク病(ToMV、TMV)に対しては罹病性である。
  • 「とまと中間母本農11号」は変形果の発生が多く、果実糖度が低いなど、実用品種とするには改良が必要である(表2)。

具体的データ

図1 「トマト安濃11号」の育成系統図

表1 「トマト安濃11号」の短節間性およびその遺伝

表2 「トマト安濃11号」の果実特性および収量性

図2 「トマト安濃10号」の果実

その他

  • 研究課題名:短節間トマト系統の育成と短節間特性の解明
  • 課題ID:11-02-01-01-09-05
  • 予算区分:ブラニチ6系
  • 研究期間:1997?2005年度
  • 研究担当者:斎藤 新、松永 啓、吉田建実、門馬信二、齊藤猛雄、佐藤隆徳、山田朋宏