農業活力に基づく四国中山間地域の類型化

要約

四国中山間地域を対象に、農業活力を表す指標として農業所得、農家人口扶養力、農業労働力を用いて市町村を4類型に分類し、さらに各類型ごとに展開される農業を規定している作目構成、経営規模等の要因を選定して主成分分析を行い、類型別の構造特性を解明した。

  • 担当:四国農業試験場・地域基盤研究部・地域計画研究室
  • 連絡先:0877-62-0800
  • 部会名:営農
  • 専門:経営
  • 分類:行政

背景・ねらい

四国中山間地域において地域の実情に応じた農業政策を導くためには、多様な地域性を有する四国中山間地域を類型的に把握する必要がある。そこで、四国中山間地域の市町村を対象として農業活力を表すと考えられる農業所得、農家人口扶養力、農業労働力といった指標を用いて類型化を行った。また、抽出された類型の妥当性を確認するために各類型ごとの構造特性を解明した。

成果の内容・特徴

  • 四国中山間地域の市町村を対象として、農業所得増加地域と農業所得減少地域をそれぞれ抽出し、さらに農家人口扶養力と農業労働力の動向によって類型化すると、農業所得増加地域は、主に、農家人口扶養力が高く農業労働力の減少が小さい地域(I類型)と、農家人口扶養力が低く農業労働力の減少が大きい地域(II類型)に分かれる(図1)。
    また、農業所得減少地域は、農家人口扶養力が高く農業労働力の減少が大きい地域(III類型)と、農家人口扶養力が低く農業労働力の減少が大きい地域(IV類型)にほぼ2分される(図2)。
  • 抽出された4つの典型的類型ごとに作目構成を見ると(表1)、I類型においては、施設園芸型地域、混合型地域、果樹単作型地域、II類型においては、果樹単作型地域、混合型のうち果樹の特化係数の高い地域、III類型においては、水稲単作型地域、混合型地域のうち畜産の特化係数が高い地域、IV類型においては、畑作型地域、混合型地域のうち工芸作物の特化係数が高い地域が支配的である。
  • 次に、各類型ごとに作目構成以外の構造特性を見ると(表2)、I類型は、経営規模が相対的に大きく、農外労働市場は未発達である。II類型は、経営規模が小さく、農外労働市場はあまり発達していない。III類型は、農地条件が比較的良好であり、農外労働市場が発達している。IV類型は経営規模が極めて小さく、農地条件は劣悪であり、集落機能が低い。
  • 地域的に見ると、I類型においては、高知県沿岸部、高知県山間部の新興野菜作地域、愛媛県のみかん作地域、II類型においては、愛媛県、香川県の島嶼・半島部地域、III類型においては、香川県南部地域、徳島県北部中間地域、IV類型においては、徳島県西部山間地域に属する市町村が代表的市町村である。

成果の活用面・留意点

今後、県や国が中山間地域の農業政策を立てる際の参考となる。

具体的データ

図1.農業所得増加地域の類型

 

図2.農業所得減少地域の類型

 

表1.類型別の作形と所属市町村

 

表2.類型別の構造特性

 

その他

  • 研究課題名:四国における中山間農業地域の類型化と動向予測
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成7年度(平成5~7年)
  • 発表論文等:平成7年度日本農業経営学会報告