軟弱葉菜類収穫機の調製機構

要約

軟弱葉菜類収穫機に組み込んで、収穫搬送される軟弱葉菜の根の切り詰めや下葉の除去を行う調製機構である。ホウレンソウでは下葉の60~70%を除去でき、その後の人手による調製作業量を軽減できる。

  • 担当:中国農業試験場・作物開発部・機械化研究室
  • 連絡先:0849-23-4100
  • 部会名:作物生産(機械・施設)
  • 専門:機械
  • 対象:農業機械
  • 分類:研究

背景・ねらい

近畿・中国地域における葉菜類の生産は、農地の減少や、農業者の高齢化・後継者不足などの理由により、ここ数年横這いもしくは漸減傾向を示している。また、一般に野菜作では、収穫・調製作業を人手に依存しており多くの労働力が必要とされている。そこで、既開発収穫機用の調製機構を開発し、ホウレンソウに代表される軟弱葉菜類の収穫・調製作業の機械化・省力化を図る。

成果の内容・特徴

  • 本機構は、平成8年度の本成果情報で報告した「軟弱葉菜類収穫機」(SH-963)に組み込んで使用する調製機構である(図1)。このうち、根調製切断機構(SHC-982)は、対向回転する円盤刃(直径10cm、収穫時回転数360rpm)により、搬送される収穫物の根を切断する。また、下葉除去機構(SHR-992)は、1組の対向回転するブラシ(直径10cm、収穫時回転数180rpm)と3組の対向回転するロール(図2)により、収穫物に付着した土や下葉の除去を行う。
  • SH-963搬送ベルトに対する本機構の高さ位置の調節は、オペレータ手元のスイッチによりDCモータを介して手動で行う。
  • 定置試験において、SHC-982は80~90%の精度でホウレンソウの根を正常に切断でき、その場合の切断長は約20mmである(図3左、表)。
  • 定置試験において、SHR-992はホウレンソウの下葉の60~70%を除去できる。一方、過除去は、1株あたり0.3枚程度である(図3右、表)。
  • 定置試験におけるホウレンソウの損傷発生程度は、葉茎枚数単位で評価した場合、5%未満である。

成果の活用面・留意点

  • 軟弱葉菜類収穫機(SH-963)の追加機構として使用する。
  • 非結球葉菜収穫機を研究開発する際の調製機構の参考資料となる。
  • 完全な根の切り詰め・下葉除去はできないので、人手による再調製が必要である。

具体的データ

図1.調整機構の外観

 

図2.下葉除去機構(SHR-992)の構造

 

図3.定置試験における調製性能調査結果

 

表1.定置試験条件

その他

  • 研究課題名:葉菜類の機械収穫・調製作業技術の開発
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成11年度(平成9~12年)
  • 研究担当者:吉田智一、亀井雅浩、土屋史紀、前岡邦彦、石田茂樹
  • 発表論文等:軟弱葉菜類収穫技術の開発(第3報)、第58回農機講要、23-24、1999.軟弱葉菜類収穫技術の開発(第4報)、第59回農機講要、135-136、2000.