暗黒処理によるファレノプシスの開花抑制

要約

ファレノプシス‘ユキマイNo.24’の株を暗黒条件下に置くことにより花茎発生を抑制できる。20℃暗黒条件の場合、60日間以内の処理では、その後の切り花品質に影響を与えない。本抑制技術は、高温抑制法の低コストな代替技術として利用可能である。

  • キーワード:ファレノプシス、開花抑制、暗黒処理
  • 担当:花き研・生理遺伝部・開花生理研究室
  • 連絡先:059-268-4663
  • 区分:花き
  • 分類:技術・普及

背景・ねらい

現在,ファレノプシスの開花調節は主に温度管理によって行われており,抑制作型として高温抑制栽培がある。一方、花茎誘導が可能な20℃前後の温度条件でも暗黒条件では花茎発生が抑制されることが知られている。この現象は、高温抑制法の低コストな代替技術として利用できる可能性がある。そこで、‘ユキマイNo.24’を供試し,暗黒処理温度と処理期間が花茎発生および開花時の形質に及ぼす影響を検討する。

成果の内容・特徴

  • 20℃では、80日まで暗黒処理が可能である。10℃では、20日処理においても障害発生や枯死する株が認められ10℃での暗黒処理は困難である(表1)。
  • 平均開花日について、暗黒・20℃区の20、40、60および80日処理区では、対照区(2月16日開花)に比較し、開花がそれぞれ32日、51日、76日および93日抑制された(図1)。
  • 花茎長と第1小花の縦径および横径について、暗黒処理期間による影響は認められない。小花数は20℃・暗黒、80日処理区でやや減少する傾向がある(表2)。
  • 以上の結果、60日間以内の20℃・暗黒処理によるファレノプシスの開花抑制が可能である。

成果の活用面・留意点

  • 25℃以上の高温による花茎発生の抑制の低コストな代替技術として利用できる。
  • 高温条件下での暗黒処理では株に障害がでるので、暗黒処理方法に留意が必要。
  • 抑制栽培に利用する場合、本手法と従来の高温による花茎発生の抑制を組み合わせることが有効であると思われる。

具体的データ

表1.暗黒処理期間中の生存率に及ぼす温度の影響

 

図1.花茎発生および開花に及ぼす20℃暗黒処理期間の影響

 

表2.開花時の形質に及ぼす20°Cの暗黒処理期間の影響

その他

  • 研究課題名:草本切り花類の低温要求性に関わる要因の解析
  • 予算区分:超省力園芸、交付金
  • 研究期間:1998~2001年度
  • 研究担当者:久松 完、窪田 聡(日本大学)、西島隆明、腰岡政二
  • 発表論文等:久松ら(2001) 園学雑. 70巻(2) 264-266.