ポイント
農研機構は、ダッタンソバ1)粉製造時に生じる「ふすま2)」に極めて多くのルチン3)が含まれることを見いだしました。また、ふすまを焙煎する際、色彩値を指標として、ルチンの含有率を落とさずに焙煎する調製法を確立しました。本成果で得られた焙煎ダッタンソバふすまを用いることで、ルチン高含有の飲料や食品の開発が期待できます。
概要
ダッタンソバは機能性成分であるルチンを子実中に多く含む作物として近年注目されており、ダッタンソバ粉を材料として製造された麺類等の食品がすでに販売されています。ダッタンソバ粉は子実を粉砕して得られますが、その際に生じる、ソバ粉として使われない粒径の比較的大きな画分を「ふすま」と呼んでいます。ダッタンソバふすまは大部分が破棄されており、有効利用が求められています。
農研機構は、ダッタンソバふすまが、ダッタンソバ粉の約5倍量のルチンを含む画期的なルチン高含有食素材であることを見いだしました。また、雑菌が多く保存性に劣る、ダッタンソバふすまから、色彩値を測定しながら焙煎加工することにより、殺菌処理されたルチン高含有の焙煎ダッタンソバふすまを得る方法も確立しました。本研究成果は、日本食品科学工学会の英文誌「Food Science and Technology Research」に発表され、特許としても登録済みです。今後は、焙煎ダッタンソバふすまを用いて、ルチン高含有の飲料や食品を開発することを目指します。
関連情報
予算 : 農林水産省補正予算「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」
特許 : 第6679126号
その他
本資料は農政クラブ、農林記者会、農業技術クラブ、筑波研究学園都市記者会、道政記者クラブ、札幌市政記者クラブに配付しています。
※農研機構(のうけんきこう)は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネーム(通称)です。新聞、TV等の報道でも当機構の名称としては「農研機構」のご使用をお願い申し上げます。