プレスリリース
「個性派品種」作って、使って町おこし

- 美味しくて体に優しい加工品の販売 -

情報公開日:2005年8月 3日 (水曜日)

九州沖縄農業研究センターでは、米、麦、サツマイモ等の農作物について新品種開発や加工利用の研究を行っています。さらに開発された品種の普及を促進するために、生産者への情報提供や技術指導にも積極的に取り組んでいます。この度、地元生産者との連携により、当センターがこれまでに育成したさまざまな品種を使用した加工品が、JA菊池農産物売場合志店、菊陽店、菊南温泉館(熊本市鶴羽田)で販売されることになりました。
これらの加工品は、合志町の農業法人である(有)山渡会において生産されたサツマイモや米、さらに城南町で生産された小麦を使用しており、地元の特産物として町おこしに役立つことが期待されます。
今後、県内のAコープでの販売拡大へ向けて準備を進めていく予定です。

【当センターで育成した品種】 【加工品】
”甘くて美味しい食用さつまいも”
べにまさり
プリン、だんご
いきなりだんご
”色がきれいであんこに適した紫さつまいも”
ムラサキマサリ
ゼリー、まんじゅう
いきなりだんご
”えぐみがなく葉と葉柄が美味しいさつまいも”
すいおう
ゼリー、だんご、お茶
キムチ、焼酎(2006年2月)
”サクサクした食感をもつさつまいも”
ジョイホワイト
まんじゅう
いきなりだんご
”甘くて香りのよりパン用小麦”
ニシノカオリ
まんじゅう
いきなりだんご
”赤色がきれいなもち米 ”
紅染めもち
だんご

詳細情報

写真1 ゼリー写真1 ゼリー

写真2 まんじゅう、いきなりだんご写真2 まんじゅう、いきなりだんご

べにまさりすいおうphoto3-3.jpg紅染めもち、つくし赤もち写真4写真4 JA菊池農産物売場合志店(合志町幾久富)

【品種の紹介】

「べにまさり」

平成13年に農林登録された青果用サツマイモ。肉質が柔らかく美味しい。多収で貯蔵性に優れる特徴がある。

「ムラサキマサリ」

平成13年に農林登録された加工用の紫サツマイモ。アントシアニンを多く含む。でん粉も多いため焼酎原料としての適性もある。 紫サツマイモのアントシアニンには、(1)活性酸素除去効果があり、(2)肝障害軽減効果や、(3)血圧上昇抑制効果、(4)血液サラサラ効果等の健康機能性がある。

「すいおう」

平成16年に種苗登録された茎葉利用サツマイモ。茎葉にはポリフェノール、ルテインといった機能性成分を多く含む。いもは焼酎原料として利用可能。「すいおう」のポリフェノールは血糖値抑制効果があり、眼病予防効果が期待できるルテインは、ほうれん草の約2倍の量を含んでいる。

「ジョイホワイト」

平成6年に農林登録された焼酎原料用サツマイモ。β-アミラーゼを含まないため、加熱しても甘くならないが、小麦と混ぜるとサクサク感が向上する。

「ニシノカオリ」

平成12年に農林登録された小麦。やや早生で、耐倒伏性に強く、うどんこ病にも強い。西日本地域で栽培できる初めてのパン用品種で、菓子パン用に適している。

「紅染めもち」

平成16年に農林登録された赤もち米。中生で着色も良い。草丈が短くて作りやすい。 「紅染めもち」には抗酸化物質であるプロアントシアニジンを含んでいる。

 

【農業生産法人 有限会社山渡会】

所在地:熊本県菊池郡合志町福原2354

代表取締役:宮崎定一郎

設立年月:平成17年4月

業務内容:さつまいも、米等農作物の生産、加工、販売を行う。 今後はキムチやお茶、焼酎などの商品化を進める予定。畑1.4ha、水田1.5haを所有。