東北農業研究センター

水田作グループ

水稲無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種のようす

東北地域の水田で栽培できる土地利用型作物として、水稲、飼料用米、大豆を取り上げ、省力・低コストで安定した生産を行うための栽培研究を行っています。

水稲栽培では、「無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種栽培」 (かん湛 ! ) を開発しています。コーティングしない催芽種子を代かきしながら播種するもので、面倒な種子コーティングや仕上げ代かきを省略できます。本栽培法を安定させるために、苗立向上技術、水管理法、雑草防除技術等の開発を進めています。また、移植栽培の雑草防除研究として、新規除草剤と耕種的技術を活用したクサネム等の難防除雑草防除技術の開発にも取り組んでいます。

飼料用米の生産現場では、後作で落ち生え (漏生イネ) による異品種混入の懸念から、多収性の飼料用米専用品種ではなく一般の主食用品種が作付けられることが多く、多収・低コスト生産の障害となっています。そこで、漏生イネ対策技術として、石灰窒素により漏生イネを1/6に低減できることをこれまでに明らかにしてきました。さらに、石灰窒素の効果的な使用条件を明らかにするとともに、除草剤等と組み合わせた総合対策技術の開発を進めています。

転換畑大豆作では、省力的で安定多収が可能な栽培技術の開発・改善に取り組んでいます。第一の多収阻害要因とされる乾湿害については、その軽減効果が高い「チゼル有芯部分耕播種」に中耕培土作業が省略できる狭畦栽培法を組み合わせた省力的な栽培技術を確立して、その普及を進めています。そのほか、追肥や密植栽培技術の導入を進めて地域の平均反収の向上を目指しています。大豆作の雑草防除では、新規茎葉処理除草剤フルチアセットメチル乳剤の薬害の品種間差異を解明し、技術資料を作成するとともに、本剤を活用したイヌホオズキ等の難防除雑草対策技術を開発しています。

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