日本産糸状菌類図鑑 No.33 before← →next ↑top 

Gibberella fujikuroi (Saw.) Ito apud Ito & Kimura [=Fusarium moniliforme Sheldon]
 分類:子のう菌門,核菌綱,ボタンタケ目,ボタンタケ科

日本全国に分布。イネばか苗病,イネ科作物赤かび病を引き起こすが,葉上生息菌として様々な植物から分離される。植物病害抑制菌(微生物防除剤)として使える可能性もある。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は枯死植物体上でのみ観察される。

性状(機能):葉上生息菌,植物病原菌

形態:
 有性世代:暗青色の子のう殻中に楕円形〜棍棒形の子のうを形成し,内部に無色,楕円形,大きさ14-18×4.5-6μ,1-2(-3)隔壁の子のう胞子を形成する。
 無性世代:小型分生子はフィアライド(分化分生子柄)上に,連鎖状に形成され,無色,長楕円形,大きさ5-12×1.5-2.5μ,0(-1)隔壁。大型分生子は分生子座内に形成され,無色,長紡錘形,両端は細まり,真直または湾曲し,大きさ25-60×2.5-4μ,3-7隔壁。
大型分生子と
小型分生子
連鎖した小型分生子

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
256-1-10 Gibberella fujikuroi  イネ Oryza sativa ばか苗病 1900.8.25 堀正太郎
256-1-25 東京板橋志村 1937.7.17
101-1-26 北海道空知郡瀧川村 1941.8.7 明日山秀文

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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