日本産糸状菌類図鑑 No.34 before← →next ↑top 

Glomerella acutata J.C.Guerber & J.C.Correll [=Colletotrichum acutatum Simmonds ex Simmonds]
 分類:子のう菌門,核菌綱,クロカワキン目,クロカワキン科

 北海道を除く全国に分布。多犯性植物病原菌であり、計50種以上の花・野菜・果樹類に対し炭疽(たんそ)病を引き起こすとされる。罹病組織表面に分生子層を作り、内部の分生子を飛散して蔓延する。有性世代は、人工培養条件下のみで確認されている。

性状(機能):植物病原菌    病徴JPEG(23kb)

形態:
 有性世代:培地上の対峙培養で形成。球形〜倒洋梨形で幅が125〜313μの子のう殻の内部に、一重壁で棍棒型の子のうを配する。子のう内部の子のう胞子は無色単胞、先端が丸い長楕円形〜楕円形で、大きさは8.5〜25.1×3.1〜8.1μ。
 無性世代:分生子層上にオレンジ色からピンク色の分生子粘塊を生じる。分生子は無色単胞で、両端が尖った紡錘形、大きさは8.5〜16.5×2.5〜4μ。付着器は倒卵形〜棍棒形で輪郭が平滑なものが多く、大きさは8.5〜10×4.5〜6μ。
分生子 付着器 培養菌叢
上:表面,下:裏面

農環研所蔵標本 なし

(記述および図版提供者:吉田重信,農環研,微生物分類研究室,2002)


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