日本産糸状菌類図鑑 No.61 before← →next ↑top 

Setosphaeria rostrata Leonard [=Exserohilum rostratum (Drechsler) Leonard & Suggs]
 分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

主に関東以南に分布。イネ科の葉上生息菌としてしばしば分離される。暖地型イネ科植物に寄生するとされる。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は自然条件下では観察されない。

性状(機能):葉上生息菌,植物病原菌

形態:
 有性世代:
培地上の対峙培養で形成。頂部に剛毛をもつ黒色の偽子のう殻中に円筒形〜棍棒形の子のうを形成し,内部に無色〜明褐色,紡錘形,大きさ29-85×9-21μの隔壁部でくびれた子のう胞子を形成する。
 無性世代:オリーブ褐色の分生子柄上に,オリーブ褐色〜褐色,長楕円形〜幅狭の倒棍棒形,基部のへそは突出し,大きさ15-200×7-29μ,-18偽隔壁をもつ真直あるいは湾曲した分生胞子を形成する。
分生胞子

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
135-1-15 Exserohilum rostratum パニカム類 Panicum sp.  ごま葉枯症状(不明瞭) 沖縄県石垣市 2002.2.18 月星隆雄

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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