茶蒸葉の強制冷却処理による荒茶品質の向上
- [要約]
- 蒸熱・温風冷却された茶蒸葉を強制冷却機でさらに冷却すると、荒茶の香気、色沢、水色が向上する。
- [キーワード]
- 茶蒸葉、強制冷却機、冷却
- [担当]
- 福岡県農業総合試験場・八女分場・茶研究室
[連絡先]電話0943-42-0292
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・普及
-
[背景・ねらい]
-
蒸熱された茶葉は温風によって一次冷却されるが、茶温が十分に下がりきれない場合が多いため、粗揉機に投入されるまで貯留する蒸葉プール内で品質が低下しやすい。そこで、温風冷却された茶葉をさらに冷却機で強制冷却することにより、荒茶の品質向上を図る。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
蒸葉強制冷却機は、スポットエアコンが発生した冷気を蒸葉コンベアを覆う冷却ボックスへ導入し、温風冷却機で一次冷却された茶蒸葉が通過する際に冷気をスリットから吹き付けて冷却する構造である(図1)。
-
蒸葉プール内の茶温は摂氏4〜5度低下する(表1)。
-
荒茶の色調は、一番茶では緑が濃く、二番茶では黄色みが少なくなる(表2)
-
荒茶の品質は、色沢、香気、水色が向上する(表3)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
荒茶の香気、色沢、水色を向上させる方法として利用でき、荒茶単価の向上が期待できる。
-
温風冷却機で蒸露を取り除かないと、粗揉機でグシャつきをおこすので、注意する。
-
60〜120kgライン用強制冷却機の消費電力は、6.18KW/H(75.4円/H)である。
-
[具体的データ]
-
図1 蒸葉の強制冷却機の構造
表1 蒸葉の冷却方法の違いが蒸葉プール内の茶温に及ぼす影響(摂氏度)
表2 蒸葉の冷却方法の違いが荒茶の即色値に及ぼす影響
表3 蒸葉の冷却方法の違いが荒茶品質に与える影響
-
[その他]
-
研究課題名:香気・色沢の向上法
予算区分 :経常
研究期間 :2000〜2001年度