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かん水同時施肥による茶園における窒素施肥量の削減


[要約]
チャの樹冠下にかん水同時施肥することにより、一番茶の生葉収量、荒茶品質の低下を少なくして、茶園への年間窒素施用量の削減が可能である。

[キーワード]
チャ、かん水同時施肥、窒素施肥量削減、茶園

[担当]
宮崎総農試・茶業支場・栽培科

[連絡先]電話0983-27-0355	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
茶園における年間施肥量削減は硝酸態窒素の地下浸透等による環境負荷を軽減するため重要な課題となっており、効率的施肥が重要である。そこで、窒素施肥量削減を図るため、根の多いチャの樹冠下への点滴かん水同時施肥法について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. チャの樹冠下の両側に点滴かん水チューブを設置し、かん水同時施肥することにより、年間窒素施肥量を半減(32kg/10a)しても、一番茶の生葉収量及び品質の低下は少ない(図1,表2)。

  2. かん水同時施肥により、畦間中央付近の根量は少ないが、かん水施肥直下付近の根量が多い(図2)。

  3. かん水同時施肥した茶園土壌中の無機態窒素量は対照区に比べ、低い濃度で推移する(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 年間施用窒素削減の施肥法の一つとして利用できる。

  2. 樹冠下の株元から両側20cm付近に設置した点滴かん水チューブを用い、液肥混入機で希釈した有機液肥(施肥窒素濃度500ppm)、4t/10aを8ヶ月間(3月から10月まで)、毎月2回施用した結果である。

  3. かん水同時施肥は肥料成分の土壌浸透は早いと思われ、降雨が多いと予想される日の直前の施肥は避ける。

[具体的データ]

表1 施肥条件10a当たり


図1 対照区に対する生葉収量指数


図2 施肥の違いによる層位別の根量分布


図3 土壌中無機態窒素の時期別推移


表2 荒茶官能審査結果及び全窒素含有率(3年間平均'00〜'02)(点、%)

[その他]
研究課題名:茶における環境にやさしい農業技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2002年


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